2019 Fiscal Year Annual Research Report
Do the Basal ganglia modulate the neural clock speed through alpha and beta wave?
Project/Area Number |
17K01617
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Research Institution | NTT Communication Science Laboratories |
Principal Investigator |
谷部 好子 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 柏野多様脳特別研究室, リサーチスペシャリスト (30582829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 元康 昭和大学, 医学部, 講師 (20434194)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 時間知覚 / 脳波 / fMRI / リハビリテーション / 大脳基底核 / パーキンソン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、感覚イベントに反応し身体運動を実施する条件では反応の必要のない条件に比べ感覚イベントの主観的タイミングが遅延するという現象を用いて「大脳基底核はアルファ波(8から13ヘルツ)・ベータ波(14から30ヘルツ)を介し脳内時計を変速する」という作業仮説を検証してきた。前年度までに大脳基底核に異常を生じるパーキンソン病患者を対象にタイミング知覚を検証し、統制群と異なる結果を患者群で発見した。パーキンソン病患者では脳波のベータ帯域で運動準備にともなう変動が減少するという異常が先行研究によりすでに発見されている(Heinrichs-Graham et al., 2014など)。そこでパーキンソン病患者脳波についての先行研究で解析の対象とされた運動準備に関連する電極に特に着目し、本年までに終了していた脳波(EEG)データ(n=20)について解析したところ、感覚イベント直後かつ運動実行直前のベータ帯域の特に高周波部分(22から30ヘルツ)において、振幅と主観的タイミング遅延の負の相関が見つかった。感覚イベントより前のアルファ・ベータ成分は主観的タイミング遅延と正の相関を示した。これはタイミング知覚が運動野・大脳基底核ループにおいて変調を受けることを強く支持する。そこで機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた実験を健常成人(n=10)で実施した。本実験は大脳基底核・運動野間の結合を計測するfMRIセッションと主観的タイミング遅延を測定する心理物理実験セッションに分かれる。データを取り終えたのは年度末であったため、現在解析中である。結合度と主観的タイミング遅延との相関を検証する予定である。 さらに我々はパーキンソン病患者での時間知覚をリハビリテーションに応用するため秒単位の時間の学習で運動精度が向上することを発見した(投稿中)。
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