2018 Fiscal Year Research-status Report
Transnational Paradigm and Entangled History in the Studies of Sport History
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17K01662
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
池田 恵子 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (10273830)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トランスナショナル / スポーツ史 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画書に記載の通り、「スポーツ史研究におけるトランスナショナルなパラダイムと錯綜史の試み」として、海外の研究者との協力体制のもと、以下の論文を国際学会で公表を行った。 ① K.Ikeda, "The Possibility of Historical Studies on 'Bodily Democracy'towards Recent Arguments on Sustainable Development Studies through Transnational Analysis" (The 19th ISHPES: The International Society for the History of Physical Education and Sport 2018, Munster, ドイツ、2018年7月18日)。 加えて、出版社の事情により遅延していた下記の編著論文についても年度末に公刊の連絡を得た(4月8日現在での日本配本は未到着)。 ② K.Ikeda,"Democracy through the Lens of Sports Journalism: Japan and the East Asian Olympic Games" Tianwei Ren, Ikeda Keiko and Chang Wan Woo (eds.), Media, Sport, Nationalism: The Political and Geopolitical Rise of East Asia Soft Power Projection via the Modern Olympic Games, 2018, 105-118. 上記はいずれも、トランスナショナルな方法論を意識し、スポーツ史の世界史的位相を描くことに挑んだものである。とりわけ、①については日本におけるスポーツジャーナリズムの成立を考える上で、英国におけるスポーツジャーナリズムの成立史との単なる比較研究ではなく、世界史的観点からの尺度評価の必要性について論じている。②については日本、中国、韓国といった国家単位のフレイムをメディアとオリンピックの関係史から捉え直し、トランスナショナルな方法論に即したメディア史が新たなる世界史像を胚胎していることを編著者として指摘するに至っている。この他にも現在印刷中の国際論文一編の執筆を終えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際学会において1篇の口述発表を行い、学術論文については2編を完成させた。このうち、年度内刊行された学術論文が1篇となる。また、国内出版物として、年度内にすでに刊行がなされている関連図書にも寄稿した(池田恵子「欧米社会の女性とスポーツ」および「「帝国主義とジェンダー」飯田貴子, 熊安貴美江, 來田享子 編著 『よくわかるスポーツとジェンダー』(ミネルヴァ書房、2018年5月)。論文の執筆をすでに終えた残る以下の一編については、印刷待ちの状況にある。 池田 恵子 (分担執筆, 担当範囲:“Gender and Physical Culture in Japanese History” の章を担当), in: The Routledge Companion to Gender and Japanese Culture edited by Mark Pendleton,Jennifer Coates and Lucy Fraser, Routledge: London & New York,2019,forthcoming. 以上により、おおむね順調に進展していると自己評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年夏季の国際学会で口述発表を予定している。2019年2月にエントリーを行い、すでにAbstractは受理され、採択通知を受け取っている。この論文については現在、執筆を進めているところである。英国の研究者と共に、19世紀に日英大使として活動の場のあった外交官と登山についてトランスナショナルな方法論に即した分析を遂行している。2019年7月に開催の国際学会ISHPESにおける口述発表予定、採択済の論文は以下の通りである。 K.Ikeda,“A Diplomat in Japan, Sir Ernest Mason Satow and Modern Mountaineering in the late Nineteenth Century Japan, ISHPES 2019 Madrid (July, 2019) 大会口述発表、採択済(2019年2月)。加えて、2019年3月にカナダの研究者よりオファーを受け、上記の論文と併行しつつ別途トランスナショナルな方法論に依拠した冬季五輪に関する国際論文の執筆を遂行中である。
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Research Products
(5 results)