2019 Fiscal Year Annual Research Report
The surviving of Japanese martial arts under the GHQ occupation in Japan
Project/Area Number |
17K01667
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
坂上 康博 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (10196058)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 武道 / 剣道 / 柔道 / 占領政策 / 武道政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)資料収集等 令和元年における資料収集等の実績は以下のとおりである。①新たに調達庁関係資料についての探索を行ったが、調達庁編『占領軍調達史部門編』の元資料等を発見することはできなかった。②剣道家個人の評伝や追悼文集、県や市単位の剣道・柔道連盟史、大学剣道等の部誌上での回顧座談会や回想などについて追加調査を行い、『諏訪尚武館五十年史』などの資料を収集した。③聴き取り調査の追加実施の可能性についても追及したが、生存者を確認できなかった。 (2)研究発表 これまでに収集した資料の分析を組み込んだ武道史に関する包括的な歴史像や新事実等を、海外の雑誌、著書、国内の雑誌で発表した。詳細については、研究実績の概要を参照されたい。 (3)占領期以降の武道史研究の準備 占領期以降における武道を考察するための基本的な枠組みや視点、論点などの整理・検討に着手した。具体的には、ベルギーのゲント大学で開催された国際ワークショップに参加し、報告“The dominant narrative and the forgotten and hidden side of Japanese Olympic history” において、支配的なナラティブや神話の形成という武道史をも貫く問題について提起するとともに、日本の武道史やスポーツ史に関して多くの研究業績を有する海外の研究者らと研究方法および資料、今後の共同研究等に関する情報共有と意見交換を行なった。また、今後の研究の基礎となる1960年代のナショナリズムの歴史的な性格を探究した論文「1964年のナショナリズムと東京オリンピック」を発表した。
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