2018 Fiscal Year Research-status Report
運動パフォーマンスの低下を抑制するための体温管理に関する実験・調査的研究
Project/Area Number |
17K01668
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
芳田 哲也 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (00191601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寄本 明 京都女子大学, 家政学部, 教授 (30132278)
新矢 博美 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (70201564)
久米 雅 京都文教短期大学, 食物栄養学科, 准教授 (70551993)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 運動パフォーマンス / 病的症状 / 高温環境 / 練習環境 / ロシスティック回帰分析 / アンケート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高温環境に対処できるスポーツ競技者の育成を最終目標として,今年度はスポーツ競技者の夏季における運動パフォーマンスの低下や病的症状の発生に関係する性差や年齢差について、アンケートから明らかにすることを目的とした. 大学スポーツ競技者の男性1032名,女性484名から有効回答を得て、病的症状の項目を従属変数として,体調不良要因,練習環境要因の各項目を独立変数としてロジスティック回帰分析を実施した。男女共に病的症状の発生リスクを上昇させる要因として,脱水が全ての病的症状発生のオッズ比の増加に関連していた.男性は高温や休憩回数が少ない,水分摂取不足など練習環境の要因が病的症状発生のオッズ比上昇に関係したが,女性では食欲不振,睡眠不足,疲労の蓄積など生活習慣の要因と風が弱い,水分摂取不足など練習環境の要因とが関連した. 高校生スポーツ競技者1254名 (男子895名, 女子359名) から回答を得て、不備のあった者を除外した男子872名(97.4%),女子359名中348名 (96.9%)の回答を解析した.病的症状発生を増加させる要因として,女性は男性よりも オッズ比が高く、男女共に夏季の食事摂取量の減少 、夏季の練習時間の増加、屋外競技、食欲不振 、病気、脱水感、疲労蓄積,ストレス ,月経 ,高温 ,日射が強い,風が弱い が該当した. 以上の結果から、夏季における運動パフォーマンスの低下や病的症状には、多くの項目について「脱水」や「食事摂取量の減少」が発生要因として関係するが、性差や、大学生と高校生による年齢差も存在することが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度では、スポーツ競技者の夏季における運動パフォーマンスの低下や病的症状の要因について、男性競技者に加えて女性および高校生競技者の特徴が明らかにできたので、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、アンケートから頻発する運動パフォーマンス低下や病的症状の発生要因を性別・年齢別に整理する。また、温熱ストレスを減少させて運動パフォーマンスの低下を抑制できる活動筋温や中枢温の至適温度について実験的に明らかにする。さらに、これまでの調査・実験結果から夏季スポー ツ活動時における体温管理方法の要点を整理する。
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Research Products
(7 results)