2023 Fiscal Year Annual Research Report
Traits of Exercise Habit among Health Related Behavior
Project/Area Number |
17K01669
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高見 和至 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (50236353)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 運動習慣 / 習慣強度 / 喫煙 / 歩行通勤 / パチンコ / 飲酒 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は前年度に引き続き研究成果の公表に従事した.2022年度に最初の研究成果論文として「日本語版自己報告式習慣指標(SRHI-J)の開発(神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要16-2)」を発表し,神戸大学学術成果リポジトリにおいて251回の閲覧と178回のダウンロードを記録している. 本年度はその日本語版自己報告式習慣指標(SRHI-J)を用いて運動習慣の独自性を探究した.その成果は「運動習慣の心理的プロセスの探究 ―運動・飲酒・喫煙・歩行通勤・パチンコにおける習慣強度の構造―(スポーツ心理学研究,50-2,62-75)に掲載された. 研究概要:本論文の研究目的は,習慣強度の観点から運動習慣の心理的プロセスを検討することである.まず,研究1では大学生と成人男女に運動の習慣強度を測定する2種類の質問紙に回答させ,探索的因子分析による分析を行った.その結果,運動の習慣強度は,固定化行動,否定的感情,自動性,契機動因の4因子から構成されていた.なかでも,固定化行動と自動性は過去の運動履歴や現在の実施状況と強く関連していた.続いて研究2では,同一尺度を用いて運動と4つの健康関連行動の習慣強度の因子構造の比較を行った.運動と歩行通勤は類似した2因子構造が得られ,喫煙とパチンコは単一因子構造になった.2つの因子は「負担感の無さ」「自分らしさ」と解釈された.これらの研究結果から運動習慣の心理的プロセスには,実践に対する負担の減少と,運動に対する個人的価値の高まりの2つの特徴があることが分り,運動習慣形成にはこの特徴を考慮する必要性がある.また,運動習慣がどのように形成され維持されるのかという研究に新たな枠組みを提示することができた. 以上のように,研究課題「健康関連行動における運動習慣の特殊性:習慣強度の心理的プロセスからの探求」を完遂し,新たな知見を提供することができた.
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