2019 Fiscal Year Annual Research Report
Olympism seen from Coubertin's words and actions after the resignation of the International Olympic Committee President
Project/Area Number |
17K01697
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Research Institution | Ferris University |
Principal Investigator |
和田 浩一 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 教授 (20309438)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | クーベルタン / オリンピック / オリンピズム / 万国教育連盟 / 国際オリンピック委員会 / IOC |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、近代オリンピックの創始者ピエール・ド・クーベルタンが国際オリンピック委員会(IOC)会長辞任後に結成した万国教育連盟における活動と思想とに注目し、オリンピックの枠組みでは十分に捉えられていないオリンピズムの内実を明らかにすることである。 具体的な研究課題は、(1)万国教育連盟の委員構成と活動内容、教育思想の3点を整理し、(2)本研究で対象とする万国教育連盟がオリンピズムの現代的解釈の糸口となることの妥当性を、IOCとの連続性を明らかにすることによって裏づけ、(3)万国教育連盟におけるクーベルタンの活動と思想の特徴を浮き彫りにすることである。最終年度(2019年度)の研究実績の概要は、次のとおりである。 1)IOC創設前の1884-85年にパリで開かれた「芸術におけるスポーツ展」は、万国教育連盟にも引き継がれた「スポーツと芸術の相互協力」を不可欠な要素と見なすオリンピズムの形成に、直接的な影響を与えなかったこと、しかしこの展覧会が、約20年後に芸術家たちによるオリンピック・ムーブメントへの協力が実現した遠因として説明できることを明らかにした。 2)万国教育連盟における知識教育・労働者教育の萌芽が、IOC活動時代のクーベルタンによる以下の著書や雑誌記事にあったことを明らかにした。Appel pour la creation d'un enseignement universitaire ouvrier (1890), L'analys universelle (1912), Ou va l'Europe (1923) 3)万国教育連盟による労働者大学構想計画の背景には、国際労働機関事務局(1919年設立)や各国の労働者体操連盟など、労働者の体育・スポーツに関わる機関との関係があったこと、またこの関係がIOC(~1925年)と万国教育連盟(1925~1930年)の両時代に跨がっていたことを、IOCオリンピック研究センター所蔵の「万国教育連盟関連ファイル」に収められた文書や書簡から跡づけた。
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Remarks |
和田浩一「オリンピックとパラリンピックが大切にしていること」浜松市立伊目小学校生徒向け講演、2019.6.10/和田浩一「オリンピック・パラリンピック教育と保育園:クーベルタンと一緒に考えてみましょう」品川区子ども未来部保育課職場企画研修会講演、2019.11.11/和田浩一「気軽にオリンピック!クーベルタンの考えたオリンピズムって何?」日本パラリンピアンズ協会勉強会、2019.8.27
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Research Products
(8 results)
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[Book] Challenging Olympic Narratives in Japan toward Tokyo 20202021
Author(s)
Frost, Dennis; Hamada, Sachie; Ishizaka, Yuji; Kietlinski, Robin; Kingston, Jeffrey; Manzenreiter, Wolfram; Matsushima, Tsuyoshi; Mizuide, Koki; Nakajima, Tetsuya; Niehaus, Andreas; Okada, Kei; Sakaue, Yasuhiro; Sasaki, Hiroo; Tagsold, Christian; Wada, Koichi; Yabu, Kotaro
Total Pages
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Publisher
Ergon (Nomos Verlagsgesellschaft)
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