2021 Fiscal Year Research-status Report
教育支援センターにおけるスポーツ指導の実態とガイドライン作成に関する社会学的研究
Project/Area Number |
17K01718
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
松田 恵示 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70239028)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 祐一 岡山大学, 教育学研究科, 講師 (80550269)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 教育支援センター / スポーツ活動 / ガイドライン |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ状況において実践的な検証に関して十分な取り組みを得られていないことから、、これまでの実績として昨年度のものに基づき再掲する。教育支援センターにおけるスポーツ活動と指導の実態を対象としたこれまでの調査から、特に不登校の子どもたちに対するスポーツ活動の持つ教育的可能性と、 それを引き出す指導のあり方について実践的な知見を得るために、調査で得られたデータに対して新たな分析を行うとともに、指導ガイドラインづくりについて の検討を行った。調査の分析から得られたものは、概略すると、教育支援センターにおけるスポーツ活動に対する特有の規範意識や学習指導の考え方であった。 教育支援センターにおけるスポーツ活動には、学校体育とはまた別な期待や認識が多く存在する。これらを、「(対人関係性の)直接性/間接性」「(環境刺激の) 強い/弱い」の2つの観点から整理し、スポーツの活動内容についてこの観点からスコープとシークエンスについて構成するカリキュラムを構想できた。学校体育 では、生涯スポーツの観点からスポーツ実践の範囲の偏りが起こらないように検討すると思われるが、教育支援センターにおいては、当該のスポーツ種目の持 つ、コミュニケーションの取り方や構造の特性などが、子どもたちにとっての教育的効果を検討する観点として求められる。教育支援センターや不登校支援にお けるスポーツ指導のガイドラインづくりには、この点から、公教育におけるスポーツ指導のオルターナティヴを提案する作業にもなり得ることを示唆できた。こ の観点から構想したガイドラインを、実際に現場で活用し、その評価を得つつガイドラインの妥当性を検証し修正する作業に取り組み始めたところとなってい る。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
最終年度に予定している、ガイドラインの作成とその検証に関して、教育支援センターのスポーツ活動の実態とニーズ、並びに教育的可能性の観点をさらに精査し一部取り組み始めているが、コロナ感染状況の波状的な変化により、特に身体活動が中心となるスポーツ活動の実施が特殊な環境下となっていることから、検証作業を終了できない現況が継続しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、コロナ状況を踏まえた検証計画に修正し実施する予定。また、コロナ感染状況の変化に応じて、対応的に検証活動を継続的に実施できる見通しを持っている。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍のなかで、予定していた教育支援センターでのガイドラインの検証作業が、昨年、一昨年に引き続き、実施することができなかった。そのため、2022年度に延期せざるを得なかった。次年度使用額は、ガイドライン検証のための作業と報告のための費用として使用する。
|