2019 Fiscal Year Annual Research Report
Association between social capital and physical and mental health
Project/Area Number |
17K01827
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
松永 昌宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (00533960)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / Voxel-based morphometry / 幸福感 / 信頼感 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代社会はストレス社会である。国民生活基礎調査によれば、仕事での悩み、人間関係での悩みなど日常生活で悩みやストレスを感じている12歳以上の者の割合は、平成7年では40.4%であったのに対し、平成25年では48.1%と、この20年間で大きく増加している。 ストレスに対応し心身の健康を維持・増進させるために、最近、人と人とのつながりを示す「ソーシャル・キャピタル」という資源が注目を集めている。ソーシャル・キャピタルとは、組織、地域社会における「信頼」「互酬性の規範」「ネットワーク」などといった言葉で表現されるが、健康を決定する社会的要因のひとつであると考えられている。例えばJAGES(Japan Gerontological Evaluation study)プロジェクトによる、愛知県知多郡武豊町での地域介入研究を例に挙げると、既存の公民館などに高齢者をターゲットとしたサロンを作り、サロンにおいて、歌、楽器の演奏、俳句などといったアクティビティを企画して1年ほど参加してもらい、サロン参加者と非参加者で主観的健康感を比較したところ、非参加者に比べてサロン参加者では、主観的健康感が有意に高くなったことが示されている。 このように、他人への信頼感は健康に良い影響を与えることが明らかとなってきているが、その脳内メカニズムは未だ明らかになっていない。そこで本研究では、健康な大学生を対象に、信頼感、主観的幸福感、健康関連QOL(Quality of Life)を評価するアンケート調査と、T1画像を用いたVBM(Voxel-based morphometry)を組み合わせ、探索的に信頼感、主観的幸福感、主観的健康感と関連する脳領域を調べた。その結果、右外側前頭前野が、ソーシャル・キャピタルと健康との関連を媒介する脳領域である可能性が示唆された。
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