2019 Fiscal Year Research-status Report
児童福祉施設へのアウトリーチ型権利擁護システムの開発
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17K01931
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
栄留 里美 大分大学, 福祉健康科学部, 助教 (60708949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
農野 寛治 大阪大谷大学, 人間社会学部, 教授 (30300338)
久佐賀 眞理 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (10312167) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 訪問アドボカシーの方法の開発 / アドボカシー / アウトリーチ / 評価調査 / アドボケイト / 権利擁護 / 子どもの権利 / 意見表明権 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、施設訪問し子どもの意見表明権を支える「アドボケイト」の試行実践を行った。年間通じて、週1回~月2回・2~3時間、2名のアドボケイト(研究協力者)が訪問し、入所児童のアドボカシー実践に取り組んだ。実践はエピソード記述で記入している。具体的には、施設職員との連絡調整によってアドボケイトが施設を訪問し、(1)遊びやコミュニケーションによるラポール形成、(2)入所児童の意見/思いの傾聴、(3)意見表明支援、(4)代弁/調整を行った。併行して、研究者とアドボケイトによる事例検討会(毎月1回)によってスーパービジョンを実施した。これらの訪問アドボカシーにかかわる実践内容を評価し、修正を加えるための研究会(毎月1回)を開催した。研究者・施設長・アドボカシー推進員・派遣団体代表者・アドボケイトから構成されるシステム検討会(3回)において、虐待防止を含めた権利擁護の促進状況の評価、ケアの改善課題の検討と対処方法の提案、研究活動の評価を調査した。子どもから訪問アドボカシーについて意見をもらい改善に役立てた。子ども委員会も開催した。これまでの約2年間の実践活動について、9月に利用者である子ども・職員へ個別インタビューを実施した。職員にとって多忙の中で子どもの声を「後回し」にせずに対応するようになった、権利意識が高まった等肯定的な評価を得た。守秘義務や理解の困難さなど、課題も明らかになった。子どもたちにとっては楽しかった、否定せずに聴いてもらえたことが印象に残っていた。ただ、時間が短かったということが課題として挙がった。このような研究成果を各地の講演・子ども虐待防止学会等で数多く報告した。メディアからも注目されたことで、本取組が他地域にも広がりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科研申請時に掲げた「施設訪問アドボカシーの試行実践により実践方法の評価と改 良を重ねる。」ことができたため。 論文投稿・学会発表も実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響で、公開型の報告会を開催できなかった。また本調査をどう位置付けるか考察するために海外調査も予定していたが、こちらもコロナウィルスの影響で中止となった。したがって、コロナウィルスの感染状況がおさまった段階でこれらの未実施の活動を実施したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で、公開型の報告会を開催できなかった。また本調査をどう位置付けるか考察するために海外調査も予定していたが、こちらもコロナウィルスの影響で中止となった。したがって、コロナウィルスの感染状況がおさまった段階でこれらの未実施の活動を実施したい。
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Research Products
(4 results)