2017 Fiscal Year Research-status Report
抗原虫活性物質の結合タンパク質同定と新規創薬ターゲットの開拓
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17K01951
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石山 亜紀 北里大学, 感染制御科学府, 特任助教 (70300746)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Target protein fishing / 原虫感染症 / マラリア原虫 / リーシュマニア原虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
Nilotinib結合タンパク質の同定において、target protein fishing後に得られたタンパクをSDS-PAGEから切り出しPMF解析を行ったが、標的候補は得られていない。切り出したSDS-PAGE上のバンドに含まれる標的タンパク質の絶対量が不足していると考えられ、バンドを十分に得るためには量上げを行う必要がある。これに向けてマラリア原虫ライゼート調整および結合ビーズの作製を継続している。抗マラリア活性物質として標的探索候補としているNP-023について同調培養したマラリア原虫を用いてマラリア原虫生育ステージ感受性を検討し、trophozoiteからschizontにかけて阻害作用が見られることを確認した。 リーシュマニア原虫を用いたtarget protein fishingの最適化に向けて原虫ライゼートを得るために大量培養の検討を開始した。リーシュマニア原虫は内臓リーシュマニア原虫と皮膚リーシュマニア原虫を同時に検討した。いずれもマクロファージ等の宿主細胞に対して十分な感染力を維持したリーシュマニア原虫を得るため、マウスpassageを定期的に行い原虫を分離、in vitroでの培養とマウス腹腔マクロファージ(PEM)に対する感染を継続的に繰り返す中でPEM細胞内感染型amastigotesのライゼートを得るために、最適条件を検討している。無細胞系 amastigoteの大量培養を行うため、凍結原虫から培養した内臓リーシュマニア原虫をRag2KOマウスにi.v.感染させ約2ヶ月後に脾臓を摘出、ホモジネートを調整し遠心分離によりamastigoteを分離し現在培養中である。Amastigoteからpromastigote に分化させた内臓リーシュマニア原虫はPEMに感染することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
NIlotinb結タンパク質の同定において、target protein fishingで得られるSDS-PAGE上のバンドの再現が取れないことが続いた。Nilotinib結合ビーズ調整の再現性が悪いことが考えられたため、結合ビーズ作成時における反応試薬を新しくすること、反応のモニタリングをすることで改善されてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
29および30年度の計画に沿って研究を継続する。各種標的原虫の培養とライゼート調整は継続的に行いライゼートストックを確保する。 Nilotinibの標的タンパク質同定を継続して進めると共に、他の作用メカニズムについても合わせて検討することで包括的に作用メカニズムを明らかとする。 他、FGビーズと結合させる抗原虫活性物質は連携研究者が新たに取得したより活性が強く、かつin vivoで効果を示すような化合物、あるいは元の抗原虫活性物質をさらに最適化した高活性な誘導体などに適時変更し、最終目的である新規創薬ターゲットの開発に繋げる。
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