2018 Fiscal Year Research-status Report
Research on Local Administration Reform in Cambodia
Project/Area Number |
17K02053
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
岡島 克樹 大阪大谷大学, 人間社会学部, 教授 (80388397)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カンボジア / 地方行政 / 民主化 / アカウンタビリティ / 国際協力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,カンボジアで再編がすすむ地方行政制度をテーマとし,とくに先行研究が少ない(1)人的資源運営・開発,(2)地方財政,(3)機能移転に関し,文献調査や聞き取りをつうじて得られた情報を整理・分析することで,既存研究のギャップをうめるとともに,カンボジアで活動する数多くの日本の国際協力団体による取組のより円滑で効果的な実施に資することを目的にするものである。 2018年度は,2017年度にひきつづき,夏に,カンボジアに渡航し,現地のシンクタンクの研究者との交流を軸に,加えて,国連機関や二国間援助機関,NGOの職員らと交流しながら,文献探しや聞き取りを行った。なお,2018年度は,同年7月に実施された総選挙の関係からか,面会してもらえない現地政府職員もおり,かならずしも思うとおりの資料探しができたわけではなかった。 帰国後,秋には,現地滞在中に得られた資料の読みをすすめるとともに,カンボジアの地方行政制度のなかで,住民の生活向上上,重要な位置を占める「女性と子どものためのコミューン委員会」(以下,英語名の頭文字をとってCCWCと表記する)という委員会をとりあげ,論文を執筆し,所属先大学内の学会誌に発表した。また,本研究を含め,これまで蓄積してきたカンボジアの地方行政に関する知見を,カンボジア市民フォーラム主催・上智大学アジア文化研究所共催セッションにおいて,講演をつうじて共有した。 さらに,本研究に関係することとして,カンボジア渡航中,カンボジアENJJ主催「ガバナンス部会」にて,現地の日本大使館・JICA・NGO・民間企業関係者に対して,カンボジアの政治状況に関する知見を共有した。また,『アジア・人権情報センター 国際人権ひろば』においても,現在のカンボジア政治に関する文章を寄稿し,よりひろい範囲の読者を想定した報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度は,「研究実績の概要」でも記したように,カンボジアの地方行政制度のなかで,今後,住民の生活向上にとって重要となるCCWCについて文献を収集し,その概要や課題をまとめられたことは,本研究上,意義ある進展であると考えている。しかし,その一方で,2017年度に文献収集し,その結果を踏まえて相当程度,執筆をすすめてきた地方財政に関する論文が,最新の地方配分予算の数値等を組み込む必要性が出てきたにもかかわらず,結局,2018年度のカンボジア渡航では,その部分のデータが入手できず,まだ論文の完成を見ていないという事情がある。そのため,「やや遅れている」との自己評価をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は,本研究の最終年度であるため,夏に再度,カンボジアに渡航し,関連するカンボジア政府省庁や国連機関・二国間援助機関,現地の大学やシンクタンク,NGOの職員・研究者をめぐって,2018年度に入手できなかった資料の入手をすすめ,論文の完成を目指す。また,人的資源運営・開発についても,JICAで国際協力事業がすすめられていると聞いているので,関係者を訪ね,文献資料の入手をこころみ,結果,論文化できるように努める。
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Research Products
(3 results)