2017 Fiscal Year Research-status Report
Research on North Korean Dramas inlight of Gender
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17K02084
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
山下 英愛 文教大学, 文学部, 教授 (80536235)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 北朝鮮社会 / ジェンダー / ドラマ / 家父長制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、北朝鮮で制作・放映されたドラマの分析を通して、北朝鮮社会のジェンダーを考察することである。日本における北朝鮮研究は、政治外交などの分野において蓄積されてきたが、人々の暮らし、家族や社会におけるジェンダー役割、さらにそれらが政治体制とどのように結びついてきたのか、などの社会文化的側面についてはあまり関心を持たれてこなかった。本研究は、このような研究の空隙を埋め、北朝鮮社会に対する理解を深めようとするものである。 本研究を行うためには、北朝鮮社会に関する基礎的な知識を補充し、海外の研究動向を把握する必要がある。そこで、初年度である29年度は、1)資料及び情報の収集、2)海外における北朝鮮研究の動向把握、3)関連研究者とのコネクションづくりに注力した。1)資料収集は着実に進めている。海外で活動する北朝鮮関連の研究者たちとつながりができたことで、韓国及び米国における資料収集の方法やその場所に関する情報を得ることができた。2)海外(ソウル、ニューヨーク、ワシントンDC)及び国内で開かれた学会や研究会に参加し、北朝鮮研究の動向や内容に関する知見を深めた。海外では相当多様な北朝鮮研究が行われていることがわかった。3)関連研究者との人脈づくりを積極的に行い、研究上の問題意識や研究内容についての意見交換もすることができた。 さらに、北朝鮮社会の現状に対する理解を深めるために、ワシントンDCにある北朝鮮関連の研究機関や人権団体なども訪問して情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はまず北朝鮮研究に関する基礎的な知識と情報の収集が必要だと認識していた。韓国と米国で開かれた学会に参加したことで、北朝鮮研究の動向及び本研究に直接関連のある研究者とのつながりを作ることができ、多くの知見を得て研究の視野が広がった。資料収集にもはずみができ、これまでに収集した資料(文献及び映像)の整理と分析も順調に行っている。 ただ、当初予定していた韓国における北朝鮮研究機関の訪問や研究者へのインタビューなどが果たせなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は以下のことに注力する。 1)韓国における北朝鮮研究機関の訪問と研究者インタビューを行う。2)韓国における北朝鮮女性研究の現状を把握するとともに、研究史を整理し発表する。3)ドラマの翻訳・検討作業を始める。4)文献及びドラマ映像などの資料収集を継続する。5)北朝鮮のジェンダーに関する研究会を立ち上げる準備を行う。
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Causes of Carryover |
29年度の海外学会出張が年度末だったため、旅費の精算が次年度にずれ込んだ。また、ドラマの翻訳及び字幕作業を行わなかったために次年度使用額が生じた。 次年度は、韓国及び米国での資料調査及び関連機関訪問に使用する。 ドラマの翻訳と字幕作業に使用する。
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