2017 Fiscal Year Research-status Report
Approaches to Urban Planning Driven by Cultural Consumption: The Roles and Significance of Enclaves in Global Cities
Project/Area Number |
17K02144
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Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
榎戸 敬介 千葉商科大学, 政策情報学部, 教授 (60433091)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Cultural District / 文化的消費 / グローバル都市間競争 / 公共空間 / 都市観光 / 都市デザイン / 都市再開発 / 都市ガバナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、グローバル都市間競争を課題とする都市の再生や再デザインに伴って形成されつつある‘都市エンクレイブ’と呼ばれる文化的消費空間を対象に、a)都市エンクレイブの空間的広がりと空間特性について、b)エンクレイブの空間構成について、c)エンクレイブの演出について、d)エンクレイブ形成のプロセスとメカニズムについて、以上4つの課題を設定している。今年度の第一の成果は、本研究の出発点であるエンクレイブという概念について情報収集を進め、その結果、国際比較のための具体的な空間単位としてThe Global Cultural Districts Networkという組織が注目する‘Cultural District’と呼ばれる地区の存在を確認したことがあげられる。これより情報収集の体系化がさらに進み、今後の調査の枠組みと方向性をより明確にすることができた。 第二に、新たなエンクレイブの形成が見込まれる有楽町地区に関する研究会を再開発事業の当事者と共同で立ち上げ、都市変容のプロセスについてより現場に近づいて観察する体制を整えたことが重要な成果としてあげられる。この研究会立ち上げにより、上記4つの課題の中で特に課題dについての取り組みを進めることができた。本研究会は最新の情報収集プラットフォームでもあり、調査項目の拡張や精緻化を進めることに役立っている。また、文献調査により、エンクレイブ形成が政策・計画による‘トップダウン’か、あるいは自然発生的な‘ボトムアップ’なのか、といった都市空間・公共空間に関するガバナンスが重要検討項目となることを確認し、今後の調査項目に組み込むこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、勤務先大学の変更により研究対象地区へのアクセスが大幅に向上し、当初の計画よりも高い頻度でフィールドワークを行い、よりち密な観察を行うことができるようになった。また、研究対象地区における開発当事者との共同研究会を立ち上げることができたのは予期していなかった成果であり、研究活動を大きく促進する原動力となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は東京都内のフィールドワークと文献調査を主体としたが、今後は海外フィールドワークを実施し、国際比較を進めつつ研究対象である都市エンクレイブについての考察を深めていく。また、本研究課題は海外での研究が先行しているため、海外の研究者との交流を深めていくことも今後の重要な活動である。なお、東京では大規模な都市再開発プロジェクトがさまざまな地区で進行中であり、そのプロセスをち密に記録することも今後の重要な活動と考えている。
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Causes of Carryover |
勤務先大学の変更による研究出張費(主にフィールドワーク)が変更となったため。
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