2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research and Study on Taoist Rituals of the Black-headed Taoists in the Northern Area of Taiwan
Project/Area Number |
17K02210
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Research Institution | Naragakuen University |
Principal Investigator |
山田 明広 奈良学園大学, 人間教育学部, 准教授 (80511683)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 道教 / 道教儀礼 / 烏頭道士 / 台湾 / 台湾北部地域 / 淡水 / 新竹 / 苗栗 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、主として、前年度から課題となっていた新竹・苗栗地域の烏頭道士の道教儀礼の調査・分析を行った。 まず、8月11日に新竹市の烏頭道士による「黄(竹+録)五苦論燈儀」というこれまで未見の儀礼の調査を行った。本儀礼は、マイケル・サソーが新竹地区の道教の科儀書を集めて出版した『荘林続道蔵』中には見られないものの、現行『道蔵』中には見られる科儀であり、伝承系統について知る上で大きな手がかりになると考えられる。 次に、8月14日~15日に苗栗県後龍鎮の烏頭道士の道教団・法顕壇による普度法会の調査を、また、8月24日~28日には、同じく法顕壇による5日間の抜度法会の調査を行った。同地区の道教儀礼についてはこれまで未見であったため、非常に大きな収穫となった。 次に、9月14日~16日に苗栗県後龍鎮の別の烏頭道士の道教団・普玄壇による礼斗法会の調査を、また、9月15日には同じく普玄壇による頭七功徳儀礼の調査を行った。同地区のこれらの儀礼もまたこれまで未見であったため、非常に大きな収穫となった。特に、前者については、七星造橋科儀という閭山派法師系統の儀礼も調査することができ、今後、法師の儀礼の比較研究へと発展させることができると考えられる。 最後に、11月22日~24日には淡水地区の混玄壇による七七功徳(出殯功徳)の調査を行った。これまでの調査では十分に知り得なかった儀礼文書の内容や初七功徳~七七功徳の関係性などを解明する資料など新たな資料を入手することができた。 以上のように、主として、新竹・苗栗地域の烏頭道士の道教儀礼の調査を行ったが、いまだ新竹・苗栗地域の七七功徳(出殯功徳)や比較の便に供するための台湾北部地域の釈教の香花和尚の儀礼といった重要な儀礼を調査できておらず、まだ全体像が見えていない。こられの点については、今後引き続き研究を進めていきたい。
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