2020 Fiscal Year Research-status Report
降霊術から腹話術へ~西洋近代「魔女」概念の形成に関する研究
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17K02250
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
高井 啓介 関東学院大学, 国際文化学部, 准教授 (00573453)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヘブライ語聖書 / 降霊術師 / セプチュアギンタ / 腹話術師 / ダイモニオン / ダイモーン / エンガストリミュートス / ピューティア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度までの研究内容の継続として、以下の2点に集中して実施した。(1)エンドルの降霊術師に言及するヘブライ語(旧約)聖書テキストについてのユダヤ教および初期キリスト教以来の釈義に関して、前年度までに得られた成果を論文化する作業、(2)「降霊術」と「腹話術」との関係性について、「魔女」が描かれた図像の分析を通して論文化する作業の継続、(3)次年度以降の研究の展開についてこれまでの研究の流れを踏まえて新たな構想を練る作業。 以下が本年度の成果である。(1)については、前年度までに、エンドルの「降霊術師」の登場する旧約聖書テキストに対するキリスト教教父の釈義について、その身体内部に存在するとされるダイモーン(およびダイモニオン)が主要な論点となっていることに注目し、その観点から釈義の流れを整理する作業を行っていた。本年度もその作業を継続するなかで、論文執筆に向けてのおおよその見通しを得ることができたため、その成果を論文として発表した。(2)については、古代末期以降の聖書写本および近代以降の絵画とに分類しつつ、それらの図像をほぼ網羅的に収集しその分析を行った。とくにテキストと図像との関係性の特徴を明らかにすべく分析を進めた結果、次年度の論文執筆に向けてのおおよその見通しを得ることができた。(3)については、エンドルの「降霊術師」の物語が、近世以降のヨーロッパにおいていかに受容されつつ展開したか、すなわちその受容史・影響史を徹底的に整理し直す作業を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に述べた(1)については論文を投稿した。一方で、オンライン授業の導入準備という状況のなかで相対的に研究に従事する時間が減少したために、(2)に関しては論文を完成させるに至らなかった。そのため、当初の研究計画よりやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、上記研究実績の概要に記した(2)について、その成果についての論文執筆を行うとともに、学会においての報告に向けての準備を行う。(3)については、研究計画の作成を開始する。
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Causes of Carryover |
現在までの進捗状況で述べたように、研究に従事する時間が相対的に減少したために、研究成果に不十分な点が残った。従って、研究計画を一年延長することにし、最終的な研究成果を得る目的のために必要な書籍のいくつかを次年度に購入することとしたため、物品費に使用するための次年度使用額が生じている。
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Research Products
(2 results)