2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K02251
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
田澤 晴子 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (40737160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 一郎 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員 (00441717)
平野 敬和 同志社大学, 人文科学研究所, 研究員 (10571573)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大正デモクラシー / 吉野作造 / 政治思想 / インタヴュー / 戦後民主主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては、まず「大正デモクラシー」研究を牽引した研究者インタビュー記録公表に向けて作業を行い、「松本三之介氏インタヴュー記録―日本政治思想史をふり返る―」と題して同志社大学人文科学研究所発行『社会科学』47巻4号(2018年2月)にてインタビュー成果を公表するに至った。残る1名の研究者のインタビュー記録についても公表の準備を進めており、本年度中にインタヴュー成果を公表する予定である。 また、他の研究者へのインタビューを前提として研究文献の収集と具体的なインタビューに向けての検討会を開催した。しかしインタヴュー調査の出来ない事例も生じており、今後はそうした場合を想定して文献調査をより詳細に行っていく必要があるとともに、質問項目の検討に関する課題もみえてきた。本研究に関わる内容に限定せず広くインタビュー項目を設定する必要を感じた。 さらに、各人が計画に従い「大正デモクラシー」研究を進めた。すなわち、九州北部地域における「大正デモクラシー」の戦後民主主義、労働組合運動への影響、愛知・岐阜のマスメディアにおける「大正デモクラシー」思想の受容と展開、「大正デモクラシー」思想とアジアという各テーマにより資料収集および調査を行った。九州北部地域の研究では、戦後の労働運動で活躍した人物の関係資料を収集し、検討を進めた。東海地区の研究では、岐阜日日新聞を収集し新愛知、名古屋新聞などとあわせて状況を検討している。各人の研究成果としては田澤晴子『吉野作造と柳田国男―大正デモクラシーが生んだ「在野の精神」』(ミネルヴァ書房、2018年3月)、平野敬和「「大正デモクラシー」研究の成果と課題―三谷太一郎『近代日本の戦争と政治』第Ⅰ部(岩波書店、1997年)を中心に」、藤村一郎「吉野作造とクロポトキン:『吉野作造政治史講義』を活用して」、日本政治学会(大会web公開論文、2017年9月受理)などがある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで実施してきたインタヴューの成果を公表することができ、今後のインタヴューに関しても順調に検討が進んでいる。インタヴューを断られた場合においても、文献研究の成果を共有したことにより、今後の各人の研究展開において基礎的な認識となることが予想される。 また、各人における史料収集においても進捗がみられ、今後の研究成果に期待をもつことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は研究者に対するインタヴュー調査を継続し、記録にまとめること、戦後における「大正デモクラシー」研究の成果と課題に関する総括的な研究あるいは報告を実施する。一方で各人の研究を進め、進捗状況について2回程度の研究報告会を開催し、研究を共有し、相互に意見を出し合いながら、研究成果をまとめ、論文化を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
物品費額の計算間違いにより差額が生じたが、些少額であるため、次年度計画の物品費に組み入れる。
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Research Products
(8 results)
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[Book] 竹内好とその時代2018
Author(s)
黒川 みどり、山田 智,田澤晴子他
Total Pages
328
Publisher
有志舎
ISBN
978-4-908672-19-4