2019 Fiscal Year Research-status Report
真言宗寺院における中・近世期の学問展開に関する基礎的研究
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17K02412
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
渡辺 匡一 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (40306098)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 真言宗 / 教義書 / 論義 / 宝聚院 / 佛法紹隆寺 / 智積院 |
Outline of Annual Research Achievements |
佛法紹隆寺・善光寺(諏訪市)所蔵典籍の調査・研究を、4月20・21日、5月18・19日、6月15・16日、7月20・21日、8月31・9月1日、9月7・8日、11月23・24日、12月7・8、14・15、21・22日、1月18・19日、2月15・16、22・23日、3月7・8日に行い、データベースの構築を行った。 宝聚院(いわき市)所蔵典籍の調査・研究を、4月13・14日、6月8・9日、7月6・7日、11月2・3日、11月30・12月1日、2月8・9日に行い、データベースの構築を行った。 『智山書庫所蔵目録』、『真言宗智山派所属寺院聖教目録』、『真言宗智山派所属寺院史料目録』から『大日経疏』関係資料の情報整理を行い、佛法紹隆寺、宝聚院所存の典籍との比較調査を行った。 諏訪市公民館歴史講座(諏訪市立博物館、10月26日)にて、「文化財指定の意義-仏法寺所蔵資料を中心に-」を講演し、佛法紹隆寺の所蔵資料が、室町時代・江戸時代・明治時代の宗教政策により、書写・所蔵者、書籍の種類などが変化してしていくことを明らかにした。具体的には、室町時代には、各地の僧侶たちが自己研鑽のために、個人的に書写・収集を行っていること、江戸時代には、地域の中核学問寺院としての役割を担うことにより、住職を中心に教義書などの網羅的な蔵書形成を目指すこと、明治時代には、学問寺院としての役割を失うことにより、住職の個人的な蔵書収集に終始することを述べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
佛法紹隆寺所蔵典籍の調査・研究は28日、宝聚院所蔵典籍の調査・研究は12日間行った。両寺院のデータベースは見直し作業に入っているが、3月に新型コロナウイルス感染症の影響で作業ができなかったために、31年度での完成には至らなかった。智積院の調査についても、3月に調査を予定していたが、行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、佛法紹隆寺所蔵典籍、宝聚院所蔵典籍の見直し作業を通じて、データベースを完成させ、佛法紹隆寺所蔵典籍については、目録をデジタルで公開する。 智積院所蔵典籍の調査・研究を行うことによって、江戸時代における教義書の情況を明らかにする。
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Causes of Carryover |
3月の佛法紹隆寺、宝聚院、智積院の所蔵典籍調査が行えなかったため。 次年度使用額は、令和2年度請求額と合わせて佛法紹隆寺、宝聚院、智積院の所蔵典籍調査を行うための旅費等として使用する予定である。
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