2019 Fiscal Year Annual Research Report
A study of the reception of Latin poetry among Italian Humanists
Project/Area Number |
17K02585
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日向 太郎 (園田太郎) 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40572904)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ラテン詩文 / 恋愛エレゲイア詩 / 文献学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、7月にイタリアのサン・ダニエーレ・デル・フリウーリ市において、同市立図書館(Biblioteca Guarneriana)が主催するSummer School of Philology and Paleography (「文献学・写本学夏期講習会」)に参加した。ストックホルム大学、ウディネ大学、オハイオ州立大学所属の教員と共同で連続講演を行った。申請者は、ルネサンス期のプロペルティウスの写本の各歌の区分について論じ、その一例として第2巻第31歌が後続の第32歌から切り離され、独立した歌として扱われるべき根拠について考察し、研究報告を行った(How Propertian Elegies Should Be Divided and Distinguished: the Case of Prop. 2.31 and 2.32)。 同月には、これまでのラテン詩文の研究成果をまとめた著書『憧れのホメロス-ローマ恋愛エレゲイア詩人の叙事詩観』(知泉書館)を刊行した。この著作のなかでは、ホメロスに傾倒しながらも叙事詩創作を最後まで思いとどまったプロペルティウスを中心として、同時代の恋愛詩人ティブッルスやオウィディウスが自身の創作をどのように規定し、叙事詩というジャンルに対してどのような態度を取ったかについて論証した。 また、2020年度3月には、放送大学の印刷教材として『世界文学の古典を読む』を他の6人の共著者と出版した。本書は15章からなるが、申請者は第3章「古代ローマ1『アエネイス』」、第4章「古代ローマ2『黄金のろば』」、第15章テクストと旅「ホラティウスのアッピア紀行」を担当した。 この他小林標著『ロマンスという言語-フランス語、スペイン語は、イタリア語は、いかに生まれたか-』の書評を『西洋古典学研究』68 (2020)に執筆した。
|
Research Products
(7 results)