Project/Area Number |
17K02590
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
野津 寛 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (20402092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
納富 信留 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (50294848)
吉川 斉 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 特任研究員 (60773851)
葛西 康徳 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80114437)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ギリシア悲劇 / 能 / 古代ギリシア演劇 / 比較文学 / 西洋古典学 |
Outline of Annual Research Achievements |
6月4日, 信州大学(松本)にて, Scafuro氏, Pierre氏, Cazzato氏を招聘し, 第2回シンポジウムを英語で開催した(昨年度の「今後の研究の推進方策」欄で予告した通りのプログラム)。6月13日, 日仏会館にて, Pierre氏による講演会 "「合唱」と「コロス」:両者は比較不可能か" を日仏会館の協賛により開催した。夏季休暇中, 葛西(研究分担者)と野津(研究代表者)は渡英し, オックスフォードにて上記の海外研究協力者達と情報・意見交換, 研究協力の打ち合わせを行った。吉川(研究分担者)と野津は, 東大ギリシア悲劇研究会の上演資料登録の準備を続け, 資料所有者の方から, 同研究会の未公開資料を本科研HPで体系的にデジタル化・公開することを正式に許可して頂くに至った。2月25日, 東京大学(本郷)にて, 公開シンポジウム Comparative Studies on Greek, Roman and Japanese Theatre and Lyric Poetry を英語で開催した。研究発表題目は以下の通り:Yasunori Kasai, 'Karl Meuli on Mask' / Miku Sueyoshi, ‘History of Tragic Studies in Japan: Irresistible Attraction between Tragedy and Noh’ / Suzuha Nakamura, 'Reconstructed Noh: Westernization as a National Goal'. / Yoshiji Yokoyama, 'The Status of Actors in Ancient Rome, in France and in Japan ― Around the Notion of Grace of Acting ’ / Hitoshi Yoshikawa, ‘Ernest F. Fenollosa and Noh: On his Experience’. / Hiroshi Notsu, 'Fixed Structures of Greek Tragedy and Comedy: are they Comparable to Those of Japanese Lyric Drama Noh?'. / Emi Matsumoto, 'Sugiyama Naojiro's Introduction to Peri's Noh'. / Vanessa Cazzato, 'Some Reflections on Greek Lyric and Japanese Noh'.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
能楽とギリシア悲劇の受容の比較研究推進については, 昨年同様, 海外研究協力者たちとの連絡と打ち合わせ, 研究会の共同開催が順調に進行しているが, 今年度も, A. Scafuro氏, V. Cassato 氏, M. Pierre氏が実際に来日し, 共同研究を進めることができ, 本研究の国際的な協力関係がより確実なものとなった。A. Scafuro氏と野津(研究代表者)は上記の研究協力の成果として、国際研究雑誌に、宮城聰氏によるアンティゴネー上演に関する論文を発表した。また、SAPCの横山氏(研究協力者)等大学以外の場で研究を進める研究者をシンポジウムに招待することにより, 大学の研究者たちと実際の上演活動にあたる実践者たちとのネットワークも継続している。今年度の研究の総括として, 2月25日に開催したシンポジウム(「研究実績の概要」参照)では, 葛西(研究分担者)が K.モイリーと仮面に関して, 横山氏が西洋と日本の演劇における俳優の地位に関する比較に関して, 吉川(研究分担者)が Fenollosaの能楽研究に関して, 野津(研究代表者)が能楽と古代演劇の形式の比較の可能性に関して, それぞれ今年度の研究の総括を行い, この部門での研究の進行も順調であることが確認された。ギリシア悲劇の日本における上演記録のデータベース作成に関して目下最重要課題とみなされた東京大学ギリシア悲劇研究会の上演記録と資料収集については, 資料の所有者の方と直接コンタクトを取りながらこれを最優先に進めているが, これについても順調に進展している。なお, 今年度に招聘を予定していた F. Macintosh氏の来日は実現することが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
能楽とギリシア悲劇受容の比較研究に関して, 令和元年(2019年)度も研究代表者と研究分担者は夏季休暇を利用して主に英国で研究発表を行い海外研究協力者との打ち合わせと議論を行うと共に, 本研究の3年間を総括する形で, 第3回シンポジウムをオックスフォードにて英語で開催する。開催日時は 8月16日であるが, 研究代表者, 研究分担者, 研究協力者, 海外研究協力者の研究発表題目は現時点では未定である。 H30年度中に招聘を実現出来なかったAPGRD の F. Macintosh 氏等英国の研究者たち, 及びその他の海外研究協力者であるScafuro氏、Pierre氏、Cazzato氏を, シンポジウムのスピーカに迎える予定である。また, ギリシア悲劇の日本における上演のデータベース作成の関連では, 東京大学ギリシア悲劇研究会の上演記録と資料のデジタル化と目録づくりが今年度の重要な課題となるので、現在、資料の所有者の方との間で実際のスケジュール調整を行っている。本年度中に本研究の3年間を総括する形で, 研究報告書をまとめ, 東京大学ギリシア悲劇研究会の上演記録と資料のデジタル化と公開を目指す。
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Causes of Carryover |
本年度に招聘予定だった海外研究者を実際に招聘することが出来なかったため。次年度において, 同海外研究者他の招聘費用に使う。
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