2020 Fiscal Year Research-status Report
イエズス会演劇におけるエンブレムの機能に関する研究
Project/Area Number |
17K02630
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
千川 哲生 立命館大学, 文学部, 准教授 (50587251)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | エンブレム / ダンス / イエズス会 / 演劇 |
Outline of Annual Research Achievements |
16世紀から17世紀のイタリア、とりわけローマのコレッジオにおける学校演劇およびダンスとエンブレムの関係について、前年度に引き続いて研究を行った。 この時代にローマ学院でレトリック教師を務めたイエズス会士たちが創作した劇テクストをコーパスとして、エンブレムの比喩的な用法を分析することで、その背後にある世界観を明らかにした。エンブレム的な世界観によれば、あらゆる被造物は真理を覆い隠しながら部分的に開示している。そのため、エンブレムの読解は被造物を通して神意を解読する行為の練習となる。その意味でエンブレム的な世界観は、天体の運行を模倣するダンスや、天体を観測する天文学ともかかわってくることを論じた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は2019年度までに終了予定だったが、2020年度はコロナ禍のために延長された。研究自体は進展しているが、しかし、発表を予定していた学会が延期され、研究成果を公開することが難しい。
|
Strategy for Future Research Activity |
学会の開催が2021年度も困難であるため、ほかの手段による研究発表を模索する。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍に伴い、研究計画の一年延長を申請したため、それに伴い、前年度より持ち越しが生じた。海外渡航による研究発表、調査が難しいので、必要な資料収集については海外の図書館への複写申請を行う。
|