2021 Fiscal Year Research-status Report
イエズス会演劇におけるエンブレムの機能に関する研究
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17K02630
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
千川 哲生 立命館大学, 文学部, 准教授 (50587251)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エンブレム / イエズス会 |
Outline of Annual Research Achievements |
16世紀から17世紀のイタリアのローマ学院にてレトリック教師を務めたイエズス会士たちの劇作品、エンブレム、ならびに関連する議論の資料をコーパスとして、エンブレム創作と解釈の実践の基盤を形成している世界観において、新プラトン主義の影響がみられることを研究した。規則的な惑星の運行に代表されるように、隠れた神が秩序立てている世界観はプラトン『ティマイオス』に由来するが、プロティノスら新プラトン主義の哲学者、そしてキリスト教教父を経由してイエズス会士たちに影響を与えた。この世界観が被造物をエンブレムに見立てて創作、解釈する実践の理論的基盤を形成していることを、具体的な引用との照合を中心とする文献学的作業によって解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に引き続き、新型コロナ感染拡大のため海外での資料調査、研究発表が困難であったため、当初の予定よりも遅れている。そのため、インターネットでの複写申請を通じて資料収集を行いながら調査を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は欧米への海外渡航が再開されるため、本研究を完了する目途は立っている。2年越しであるが、研究の総まとめとして国際学会で発表を行う予定である。研究の補完として必要となる資料調査も併せて実施する。
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Causes of Carryover |
予定していた海外での資料調査、国際学会での発表が中断されたため、次年度以降に今年度予算を繰り越してすべて消化する予定である。
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