2018 Fiscal Year Research-status Report
夢遊状態と二重人格―近代ドイツ心霊主義における自己と無意識をめぐる思考の系譜―
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17K02632
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
熊谷 哲哉 近畿大学, 経営学部, 准教授 (20567797)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 心霊主義 / 哲学 / 文学 / 世紀転換期 / オカルティズム / スピリチュアリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年度に引き続き、ミュンヘンの心霊主義者、カール・デュ・プレルおよびシュレンク=ノッツィングとそのサークルの活動について、資料収集と文献の解読を進めた。 今年度の補助金は、主に研究に必要な図書の購入と、ミュンヘンで資料調査を行った際の旅費・滞在費に充てた。 本研究課題のキーワードである、夢遊状態と二重人格について、ドイツの作家クリスティーネ・ヴニケが2017年に発表した小説『Katie』を読み、この作品に描かれた19世紀末ヨーロッパにおける心霊研究について、ドイツ現代文学ゼミナールにて口頭発表を行った。 また、カール・デュ・プレルの心霊主義を日本に紹介した人物として、明治期に日本で語学教師として活動したラファエル・フォン・ケーベルについて資料を収集した。2019年5月にイギリス・リーズで開催される「心霊主義と科学、1750ー1930」という国際会議で、デュ・プレル、ケーベルと日本思想について、研究発表をする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カール・デュ・プレルおよびシュレンク=ノッツィングに関する資料収集は順調に進んでいる。これまでに集めた文献に加え、8月後半にミュンヘンに滞在し、最新の文献およびこれまで見つけていなかった文献を参照することができた。ドイツ心霊主義の現代文学への影響や日本思想への影響など、研究テーマにより広がりが生まれてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、5月にイギリス・リーズの国際会議で、ドイツ心霊主義が、明治時代の日本にどのように持ち込まれ、日本思想にどのような影響を及ぼしたかを報告する。夏以降には、カール・デュ・プレルの心霊主義とラファエル・フォン・ケーベルについて論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
2019年度に国際学会で発表することが決まったため、2018年度予算から、旅費として20万円あまりを残すことにした。2019年度は、イギリスでの国際学会および日本での論文執筆等に、助成金を使用する予定である。
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Research Products
(3 results)