2019 Fiscal Year Annual Research Report
Sleepwalking and Dual Personality, the Genealogy of Thought on Self and Unconsciousness in Modern German Spiritualism
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17K02632
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
熊谷 哲哉 近畿大学, 経営学部, 准教授 (20567797)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 心霊主義 / 文学 / 世紀転換期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、カール・デュ・プレルの心霊主義における魂の機能について考察を進めた。2019年5月には、前年から着手した、デュ・プレルのオカルティズムが、明治期の日本へラファエル・フォン・ケーベルを経由して輸入されたことを、リーズトリニティ大学での「科学とオカルティズム」研究会にて口頭発表した。 また、2019年夏には、ドイツ・ゲッティンゲン大学およびベルリン州立図書館にて、資料収集を行い、デュ・プレルの書簡や心霊主義関係の一次文献を調査した。イギリスのアンドレアス・ゾンマー、ドイツのトーマス・カイザー両氏からは、デュ・プレルおよびエドゥアルト・フォン・ハルトマンの書簡の写しを入手することができた。この資料を解読することで、今後、19世紀末ドイツにおける心霊主義研究をめぐる人間関係がよりいっそう明らかになることが期待される。 本年度後半には、デュ・プレルの著作、とりわけ初期に書かれた『ドッペルゲンガー』そして『アストラル体』から、魂の概念や魂の機能についての考え方が、どのように発展していったかというテーマについて研究を進めている。ドッペルゲンガーやアストラル体は、どちらも生身の身体を離脱して、人間の精神活動が外に現れる現象として、デュ・プレルは多くの論考で取り上げている。この問題についてより深めていくことで、デュ・プレルおよび同時代の心霊主義者たちにおいて、人間の魂のありようが、どのように考えられていたかを明らかにすることができると考えられる。
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Research Products
(1 results)