2021 Fiscal Year Research-status Report
Life-long develpment of lexicon and language processing
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17K02764
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Research Institution | Aichi University Junior College |
Principal Investigator |
杉本 貴代 愛知大学短期大学部, ライフデザイン総合学科, 教授 (70267863)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 発達のカスケードモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、2歳以上の子どもから成人に至る、レキシコン(語彙知識)と言語処理方略の発達過程にみられる一般的傾向と個人差を生み出す諸要因を実証的縦断研究により明らかにすることである。 2021年度当初の研究計画では、これまでに実施した対面での縦断研究をふまえて、とくに2020年度に実施できなかった研究を補うべく、不足する知見を補足するための追加的な研究を行い、本研究課題を総括することを予定していた。 しかしながら、2021年度も年間を通じて新型コロナウイルス感染症が収束しない状況であったため、まずこれまでの研究知見を別の視点からとらえ直すとともに、新しい枠組みで再分析することを目指した。複合語処理における文法能力の発達をとらえるべく、すでに得られていた縦断データを再分析し、学際的視点から考察することにより検討した。 言語発達初期に通言語的に(世界の言語に共通して)みられる複合語処理の諸特徴はすでに先行研究で明らかになっている。本研究課題では、その後の言語固有の複合語処理方略への発達過程の軌跡が明らかにする手掛かりが得られたため、その理論的説明について、学際的な観点から検討した。さらに、言語処理の発達過程について、複数の変数を導入して再分析するとともに最先端の分析手法を参考にして検討し、定型-非定型発達の分類を超えた、個人の言語処理能力の発達変化をとらえる分析的枠組みの開発と言語発達の類型化を目指した。これらの成果は2022年度に国内外の学会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は新型コロナウイルス感染症の流行傾向がさらに変化し、未成年の子どもの間で大流行の兆しが見られたため、研究協力先の助言に従って、予定していた研究をさらに延期することとなった。また、フィールドワークの中で研究代表者が体調を崩し、通院加療に時間を要したため、論文化の作業も遅延した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度として、これまでに得られた知見をまとめるとともに、国内外での実証研究を追加して実施したいと考えている。海外での研究については現地で実施するかオンラインで実施するかは社会的な状況を注視しながら実施するため、計画の変更を余儀なくされる可能性がある。 これまでの研究から得られた知見を理論的に考察する予定である。並行して、国際学会でも発表するとともに、論文投稿する予定である。なお、研究を遂行するうえで研究協力者(研究対象)の負担とならないように新たな方法論の開発も目指す。
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Causes of Carryover |
2021年度末に既存の物品の修理費用等に生じたため、その支出は2022年度分として支払うこととなったている。また、2022年度に論文投稿と学会発表、追加的実証研究を行う予定であり、そのためにかかる費用として繰り越すこととした。
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