2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K02775
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
堤 良一 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (80325068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 友子 東洋大学, 文学部, 教授 (10379216)
藤本 真理子 尾道市立大学, 芸術文化学部, 准教授 (10736276)
長谷川 哲子 関西学院大学, 経済学部, 准教授 (20368153)
松丸 真大 滋賀大学, 教育学部, 教授 (30379218)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 指示詞 / 現場指示 / 直示 / ダイクシス / 個人差 / 方言 / 共同注意 / 琉球 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、新型コロナウィルスの影響で、ほとんどすべての研究活動が停止した。特に、本研究においては、各地で実験を行いデータを収集する作業ができなかったために、延長申請を行い、次年度に改めて研究活動を再開することとした。 一方、指示詞研究においては庵功雄氏、平田未季氏らの研究が著書となって出版された。特に後者は本研究と関わりが深く、現場指示の分野に「共同注意」という概念を持ち込んだ。前年度の後半あたりから、平田氏の仮説の妥当性を、実験によって検証する試みも、本研究の計画に取り込もうとしており、前年度の最後あたりで行った滋賀大学における実験ではそのような傾向を見出すことができているように思われる。次年度でより正確なデータを大量に集めたいと考えている。 現状の研究報告会を二回行っている。1回目は2021年2月15日13:30~16:30オンラインで行った。ここでは代表者と分担者(岡﨑友子氏)との共同発表として、指示詞の用法についての検討を行った。2回目は、2021年2月22日9:00~12:00で、分担者(松丸真大氏)による研究発表が行われた。また、別科研と合同で行い、琉球方言の指示詞についての研究の最新情報などを得ることができた。 以上のように、コロナによる影響は本研究課題にも及んでおり、順調に進展しているとは言い難い。状況が改善されれば、可及的速やかに研究にとりかかりたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遅れている 最大の理由は、コロナによって、被験者を集めて行う実験がまったく推敲できなかったことによる。 また、別の理由として、当初の実験のデザインと仮説がうまく結果としてあらわれないように見えるということもある。この点に関しては、一昨年度の終わりに、滋賀大学で行った実験などから実験のデザインを変更して取り組もうとしている。しかし、デザインの変更により、データの取り直しを余儀なくされており、その点で計画が遅れている。これは研究の性質上、致し方のないものである。指示詞研究における新たな知見も取り入れつつ、さらに精緻なデータの収集に取り組む所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナが明けた段階で、当初予定していた西日本でのデータの収集を行う。東日本での調査も行う予定ではあるが、コロナの状況が見通せない段階では、どこまで実験を遂行できるか、未確定な部分が多い。 一方、データの解析については、統計学的な手法を用いて、ある点と別のある点において、どの指示詞が用いられているかなどを細かく見ていくことで、方言の差異を明らかにすることに努める。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、出張費や謝金を用いて実験を行う予定であったが、それがまったく行えなかったために、その分の予算が余っている。これについてはコロナが明ければすみやかに実験、調査を行うので使用の予定は当初の計画通りである。
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Research Products
(5 results)