2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research of The Ishiyama-dera Komkoumyou saishou oukyou-Koten
Project/Area Number |
17K02780
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高山 倫明 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (90179565)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 石山寺本金光明最勝王経 / 訓点資料 / 訓点語 / 平安時代語 / 春日政治 |
Outline of Annual Research Achievements |
九州大学附属図書館所蔵「春日政治・和男文庫」に収められている石山寺旧蔵金光明最勝王経十巻(奈良時代書写、平安後期頃加点と推定される訓点つき)につき、九州大学大学院人文科学府の演習授業「古代日本語史研究」Ⅰ~Ⅳの一環として、その古訓点を分析し訓点の実態の詳細を明らかにするとともに、仮名点・ヲコト点にもとづく釈文の作成を鋭意推進した。但し全巻の釈文作成にはまだ至っていない。まだ数年はかかる見込みである。 併せて、西大寺本金光明最勝王経古点との比較対照を行い、安時代語や訓点史にかかる新たな知見を探るとともに、本資料の日本語史資料としての位置づけ行った。 また、九州大学大学院人文科学研究院(文学部)高山研究室に別置されている春日政治・和男旧蔵の洋装本、ノート類につき、その分類整理ならびに調査を行い、その学史的意義の一端を明らかにすることができた。 大正15年(1926)に48歳で九州帝国大学法文学部国文学講座初代教授に就任した春日政治は、翌々年の昭和3年(1928)には早くも第二代法文学部長となり創設後まだ日の浅い学部の基礎を固めた。また、昭和11年(1936)から昭和13年(1938)に定年退官するまで第七代附属図書館長も勤めた。その間の、大学人としての活動と研究の進捗の関係につき、その一端を明らかにすることができた。その成果の一部は『日本語学』特集「日本語学を創った人々」2020年春号第39巻1号(通巻500号)「春日政治」の項で公開した。
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