2019 Fiscal Year Research-status Report
1940-1950年代の日本語政策史研究の精緻化に関する緊急調査
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17K02789
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
齋藤 達哉 専修大学, 文学部, 教授 (90321546)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 言語政策 / 国語施策史 / 日本語教育史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、次のことを実施した。 【1】釘本久春執筆の日本語教科書(小学生向け)について、2018年度(2019年3月)に実施した米国ハワイ(ハワイ大学マノア校ハミルトン図書館等)におけるの資料調査及び同地での関係者へのインタビュー調査に基づき、論文(斎藤達哉・王伸子・高田智和「ハワイ教育会『にっぽんごのほん』の編纂事情―国語教育と日本語教育とのはざま―」『専修国文』105号、pp.1-41、2019.9.24)の執筆・発表を行った。 【2】岩淵悦太郎の業績について、2017年度に調査した成果に基づき、出身地の白河市(白河市立図書館)での講演会を開催し、市民への成果還元を行った。 【3】上記の講演会と並行して、1959年に国立国語研究所が白河市で実施した言語調査について、当時のことを知っている被験者等を探し当てることに成功した。 【4】国立国語研究所研究資料庫で調査を行い、1959年に同研究所が白河市で実施した言語調査の関係資料を閲覧し、同調査の報告書に記録されていない情報も含め、調査の全貌を復元しうるデータを作成した。ただし、このデータについては個人情報が含まれるため発表方法は現在慎重に検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記「研究実績の概要」に記したとおり、国立国語研究所によるが白河市での言語調査(1954年)の被験者等を探し当てた。2019年1月から3月にかけて、その方々にインタビュー調査を実施する予定であった。しかし、1月以降、新型コロナウイルス感染症が流行した。インタビュー対象者は、その方々は70代以上のご高齢であり、同感染症の流行収束まではインタビューを自粛せざるを得ないと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、新型コロナウイルス感染症の収束を待って、国立国語研究所によるが白河市での言語調査(1954年)の被験者等を再度インタビュー調査を実施する。ただし、収束状況によって、8月までに実施が困難だと判断した場合には、社会言語学の専門家にアドバイスを仰いだ上で、郵便調査や電話調査等の非対面型の調査に切り替えることも視野に入れている。 また、白河市立図書館の協力を得て、岩淵悦太郎の業績や国立国語研究所の白河言語調査に関するポスター展示を実施することで、さらなる協力者の発掘も試みたい。
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Causes of Carryover |
2019年1月から3月にかけて、白河市で協力者に対するインタビュー調査の実施を予定していた。また、同3月に研究発表会を開催する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症流行のため、いずれも中止としたので、旅費、謝金等として見込んでいた金額が未使用となった。
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