2017 Fiscal Year Research-status Report
初級文法導入のためのビデオ教材の作成とそれを使用する能力養成に関する研究
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17K02848
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
河野 俊之 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (60269769)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 初級 / 文法項目 / 導入 / アクティブ・ラーニング / 反転授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,多様な学習者のレディネス,ニーズに対応するため,初級文法項目の様々な導入方法およびそのための教材・教具の開発を行い,その使用方法を日本語教師養成に取り入れることである。 扱うべき文法項目を,成人用日本語初級教科書から抽出した。また,外国につながる子どもに対する初期日本語指導の授業を見学し,ニーズを探った。次に,上で抽出した文法項目について,文法項目の導入における問題点を明らかにした。その後,新しい文法項目をわかりやすく,ストレスを与えずに理解させる,あるいは,逆に,より自然な状況を提示し,新しい文法項目の用法について,視聴した学習者がいろいろ推測するといった,目的に応じた例文や状況を考えた。さらに,上の例文や状況に対応するイラストを作成した。 上のイラストを申請者が日本語授業内で,パワーポイントを用いて試用した。口頭での媒介語は英語のみとし,学習者が推測し,やり取りをした後,当該文法項目の用法に当てはまる学習者の母語をパワーポイントに示した。これらにより,イラストだけのほうが自律学習に役立ち,時間の節約になることやイラストだけで理解できても,教師による説明によって学習者が確信を持つことにつながること,学習者の推測する能力が高まること等が分かった。 ワークショップなどによって,この導入方法およびそのための教材・教具の有効性について広く伝えることができ,協力者を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
扱うべき文法項目を,成人用日本語初級教科書からだけでなく,外国につながる子どもに対する初期日本語指導の授業を見学し,ニーズを探ることができた。文法項目の導入における問題点を明らかにした。その後,新しい文法項目をわかりやすく,ストレスを与えずに理解させる,あるいは,逆に,より自然な状況を提示し,新しい文法項目の用法について,視聴した学習者がいろいろ推測するといった,目的に応じた例文や状況を考えることもできた。 一方で,上の例文や状況に対応するイラストは授業で扱うもの等,試用したものについては全て作成したが,それ以外については未着手の物もある。 作成したイラストは,申請者が日本語授業内で,パワーポイントを用いて試用したが,現在,学習者が独学できるように,教材作成・提示アプリFinger Boardに移植中である。また,学習者が推測し,やり取りをした後,当該文法項目の用法に当てはまる学習者の母語をパワーポイントに示したが,これらが必ずしも正確ではないようである。 これらのことから,(2)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
まず,主な文法項目を網羅するべく,イラストの作成を進めることが重要であると考える。また,それらの前に,新しい文法項目をわかりやすく,ストレスを与えずに理解させる,あるいは,逆に,より自然な状況を提示し,新しい文法項目の用法について,視聴した学習者がいろいろ推測するといった,目的に応じた例文や状況を考える。 既に作成済みのものについても改良を加える。また,学習者が推測し,やり取りをした後,当該文法項目の用法に当てはまる学習者の母語として示したが,これらが必ずしも正確ではないようなので,修正する。 パワーポイントを用いて試用した教材を,教材作成・提示アプリFinger Boardに移植中であるが,さらに,独学で練習できるものを加える。 協力者に教材を試用してもらい,さらに改良を行う。
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Causes of Carryover |
新しい文法項目をわかりやすく,ストレスを与えずに理解させる,あるいは,逆に,より自然な状況を提示し,新しい文法項目の用法について,視聴した学習者がいろいろ推測するといった,目的に応じた例文や状況を考えるのに時間がかかり,イラストの作成が及び教材の作成に遅れが生じたため。 遅れについては,平成30年度頭から精力的に活動を進めており,必要な機材も購入しているので,今年度以降は,研究成果の公表のための旅費を含め,計画通りに使用する予定である。
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Research Products
(6 results)