2018 Fiscal Year Research-status Report
Proposal of a method of improving Chinese pronunciation and construction and verification of a pronunciation learning system based on the method
Project/Area Number |
17K02947
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
陳 淑梅 東京工科大学, 教養学環, 教授 (50296737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 澄雄 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (80256677)
しゃ 錦華 東京工科大学, 工学部, 教授 (10257264)
亀田 弘之 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (00194994)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 発音の質の可視化 / 発音方法の可視化 / 見える音声モデル / 発音のメカニズム / 中国語発音改善法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中国語発音学習において最も基本となる声調、母音、子音それぞれの「発音の質」を可視化することを通じて、学習者が中国語の発音を自己訓練により、無理なく中国語発音を学習することのできる中国語発音学習システムを構築することである。具体的には、中国語の発音の質を可視化する「目で見える音声モデル」を構築するとともに、「自分の目で見ながら無理なく発音改善のできる学習システム」を設計・実装する。日本語を母語とする中国語学習者にとって、とりわけ中国語の発音は習得しにくいとされている。このような状況を打開するためには、学習者が発音方法を客観的に認識し、自分自身の発音をお手本に近づけるよう自己改善を重ねていくことのできる学習環境の実現が不可欠である。本研究の特徴は、音声の質の可視化により中国語発音のメカニズムを目で見て理解できること、学習者の発音とお手本となる発音との差異を直観的に確認できること、その結果、発音を自ら修正、改善できること、さらには、改善結果が速やかにフィードバックされ、学習の動機付け強化に繋がることである。 平成30年度には、発音の質の可視化を行ったうえで、中国語発音改善法を確立した。具体的には、1)母音と子音の一部を可視化したアプリケーションを完成した。中国語の5つの単母音の発音モデルと子音中、日本人にとってもっとも難しいとされているそり舌音(zhi, chi, shi)と舌面音(ji, qi, xi)の発音の質の可視化を完成させた。2)有効性を検証した。研究代表者陳が2018年度、NHKテレビ「テレビで中国語」の講師を担当しているため、テレビ番組において、まずは母音の口の開きと舌の位置を示すシステムを利用し、生徒役の日本語母国語話者の発音修正を行い、その成果を確かめ、基本的有効性を確認した。3)複母音、そり舌音と舌面音以外の子音の可視化の制作について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、中国語発音の質を可視化し、中国語発音改善法を確立することと、中国語発音を楽しく勉強する発音学習システムを構築することである。 本研究の流れとしては、 A) 発音の質を可視化した中国語発音学習法の提案。 B) 中国語発音改善法に基づく発音学習システムの確立。C) 有効性とユーザビリティの評価である。目標を達成するために,以下のように研究を進めていく。まず平成29年度に、発音の質の可視化を行うとともに,中国語教育の立場から,システムで行う改善指導のアドバイス方法をルール化する。平成30年度以降から可視化とアドバイスの成果を統合し、発音学習システムを構築する。また,東京工科大学で開講する中国語の授業(約 160 名)に本研究で提案する手法を適用し,システムの有効性とユーザビリティに関する評価を行う。上記の計画に基づいて、システムの主要部分が構築され、また、基本的有効性の検証も行った。以上のことから、本研究は特段何の問題もなくおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
推進方策 今後の研究の推進方策として、 平成30年度に完成したシステムをさらに改善を重ねていくとともに、中国語発音学習のすべての要素―声調、母音、子音の発音の質を可視化し、中国語発音改善法を確立させる。さらには、本中国語発音学習システムの有効性の検証・評価を行う。検証と評価は東京工科大学平成31年度(2019年)の中国語初級クラス(計400人)を対象として、授業中、および事前学習の段階に行い、各種データを収集・分析したうえでさらなる改善方法を検討する。最終的には、お手本となる発音のデータベースを構築するとともに、それへの高速アクセス手法に関する検討、学習者毎の学習達成度と進捗状況を管理する機能の追加実現を行う。 また、学期末の発音テストでも本提案システムの有効性を確認する予定である。各段階におけるアンケート調査により、ユーザビリティに関してとともに、アドバイスの適確性に関しての調査を実施する。また、学期末のアンケート調査では総合評価を行い、学習者の声に基づいて、完成度を高めていく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)音声データーを検証しているうち,複母音と子音について,さらにデーターを集めて分析する必要が出たため,中国人ネイティブnonskiデータを採取することになった。30年度は音声採集対象の都合が調整できず,その部分に使われる予算は未使用になった。次年度,音声採集対象とスケジュールを調整したうえで,データを採集し,データを分析・処理する予定である。 (使用計画)実験補助などの人件費・謝金を約40万円,発表を約50万円,消耗品費などを約30万円
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Research Products
(5 results)
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[Book] 実学実用2018
Author(s)
陳 淑梅,劉 光赤
Total Pages
123
Publisher
朝日出版社
ISBN
978-4-255-45315-6