2017 Fiscal Year Research-status Report
グローバル共生を可能にする英語教育―共感的異文化理解の概念化と検証
Project/Area Number |
17K02998
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
奥西 有理 岡山理科大学, 教育学部, 准教授 (50448156)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | グローバルコンピテンス / 共感性 / 異文化理解 / 異文化間コラボレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
共感的異文化理解概念の整理を行い、尺度開発に着手した。 1)共感性尺度、2)グローバルコンピテンス(PISA20018で実施予定)、3)内的国際性・外的国際性志向(前者は移民受け入れなど内なる国際化に関するもの、後者は海外留学志向など外向きの国際化に関するもの)という3つの視点を含んだ質問紙を作成した。 質問紙による量的調査の結果を確実なものとするため、日本人にとっての異文化理解やグローバル感覚について調査した。具体的には、国際教育プログラムにおける異文化間コラボレーションワークに携わった学生を対象として、ワークの事前および事後において面接調査を実施した。この質的調査からは、日本人学生が異文化接触を通じて「差異」をどのように捉えるようになったかが明らかとなった。異文化間の対人関係形成や異文化理解の他、同質的集団内の多様性理解における葛藤という課題があることが浮かび上がった。併せて、体験的学習を行っても異文化感受性は低くとどまるという課題も浮かび上がり、原因や解決方法について検討していくことになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に予定していた尺度開発を順調に進めることができた。今後は質問紙調査を実施し効果を検証していく。
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Strategy for Future Research Activity |
作成した質問紙調査を試験的に施行し十分な検討を行った後、国際プロジェクトワーク参加者を対象として実施する。共感的異文化理解の構成要素、すなわちグローバルコンピテンスや国際性志向、共感性の関係について緻密な検討を行っていく。これらを基に日本人向け共感的異文化理解育成やグローバルコンピテンス育成について日本の社会文化的状況に照らした具体的方法を提案する。
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Causes of Carryover |
海外の事前打ち合わせが不要になったため。
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