2019 Fiscal Year Research-status Report
日本人韓国語学習者の話し言葉に対する韓国人評価の研究
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17K03014
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
崔 文姫 熊本県立大学, 文学部, 准教授 (00599467)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 韓国語学習者 / 話し言葉 / わかりやすさ / 発話の印象 / 評価観点 / 因果関係 / 母語話者の評価 / 第三者評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本人韓国語学習者(以下、学習者)の発話を韓国語母語話者(以下、母語話者)がどのように評価するのか、また、その言語運用の評価と学習者に対して抱く印象にどのような関係があるのかを明らかにすることである。そのため、2019年度は、主に、以下の二つに取り組んだ。 1.学会誌へ論文を投稿 昨年度「わかりやすさ」に関する評価調査の結果を三箇所の学会で発表したが、その場で得られたコメントや研究仲間からのアドバイスなどを含めて、研究成果を論文としてまとめた。さらにそれを「日本韓国語教育学会」と「朝鮮語教育学会」の学会誌に投稿した。両方とも査読を経て、無事に学会誌に論文が掲載された。 2.学習者の発話(映像データ)を用いた母語話者の評価調査 初年度に収集・作成した学習者の発話データのうち、本年度は学習者(中・上級6名)のインタビュー場面(映像データ)を用い、2019年11月に韓国の大学で母語話者の大学生(合計74名)を対象に、学習者の発話に関する評価調査(量的調査)を実施した。大学生が教室のスクリーンを通して学習者の発話を順に視聴しながら、質問紙にある評価項目に5段階で評価をする方法で行なったが、調査手順の説明および機器の操作などは筆者が担当した。なお、質問紙にある評価項目は、昨年度行なった予備調査と先行研究を参考に作成した。令和2年度は、今回実施した調査のデータを整理・分析し、研究成果の発表をしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、学会誌に論文が2本掲載され、加えて、学習者の発話(映像データ)に関する母語話者の評価調査(本調査)を実施することができた。しかし、母語話者の対象者が大学生に限定されてしまった。韓国語教師(専門家)にも調査を実施したかったが、韓国との調整がうまく行かず、さらには年度末(日本の春休み中)に再調整を試みていたが、コロナ問題でそれも断念せざるをえなくなった。その点残念ではあるが、今回得られたデータだけでも十分な分析が可能であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度(2020年度)は、平成31年度(2019年度)に実施した韓国での調査データを計量的に分析・検証し、学習者の発話に関する母語話者の評価観点(基準)と評価の因果関係を明らかにする。ともに、その結果を学会などで積極的に発表していく。
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Causes of Carryover |
今回の差額は、3月に学会へ参加するためキープしていた予算がコロナ問題で学会そのものが中止となったため生じたものである。なお、今回生じた差額(28,532円)については、令和2年度に学会出張費用などとして使用する予定である。
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