2021 Fiscal Year Research-status Report
短期留学が学習者の意識に与える影響と「学びの意識化フレームワーク」の構築
Project/Area Number |
17K03017
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
前田 ひとみ 目白大学, 外国語学部, 准教授 (30458575)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 個人別態度構造分析 / 異文化観の変容 / 留学 / 留学の短期的影響と長期的影響 / 異文化理解能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では留学の長期的影響に関する一考察として個人別態度構造分析を使用し、複数年にわたり学生18名を対象に3年間(計144回)に及ぶ聞き取り調査を行った。本研究から留学前は断定的な表現が数多く表出していたが、帰国後は30.6%減少し、客観的な表現は155%増となるなど、データからは留学により、被験者はより「客観的」な立場で異文化を見るようになった様子がうかがえた。また学習者に対する留学の影響を調査する中で、類似するクラスターがどの学習者からも同様に出現しており、それらは本研究内の抽出とコーディング作業により1.「認知・知識面」、2.「精神面」、3.「語学面(英語)」、4.「行動面」、の4つを分類項目として提示した。留学直後の短期的影響では認知・知識面と行動面の出現が最も多かったが、長期的影響では行動面が最多となり(45%増)、認知・知識面が45%減となった。このことから留学は、まず個人における認知や知識面、意識や価値観に影響を及ぼし、その後1年をかけて個人の経験の中で長期的に被験者の行動面(積極的になった、自信がついた等)に影響を与えた可能性を指摘した。また長期的影響では語学面が消滅したことからも語学のスキルは“自信”となって個人の「行動面」への成長や変化に移っていったと推測するのが自然であると結論つけた。研究内容は学会誌に投稿し、また2021年度は学内のFD研究会で本研究の発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析や考察も順調である。しかし、新型コロナウイルスの影響により学会発表については進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
5年間の研究成果と知見をまとめ、最終報告書を提出すると同時に国際学会にプロポーザルを提出予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により国際学会発表ができておらず、今年度は実施したい。
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