2017 Fiscal Year Research-status Report
A Comprehensive Study of Medieval Documents Related to the Ise Shrine Complex and Held Outside of Mie Prefecture
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17K03077
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Research Institution | Kogakkan University |
Principal Investigator |
岡野 友彦 皇學館大学, 文学部, 教授 (40278411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 誠 (多田實道) 皇學館大学, 文学部, 准教授 (00440834)
小林 郁 皇學館大学, 研究開発推進センター, 助手 (90779654)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 伊勢神宮 / 古文書学 / 荘園史 / 神道史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、神宮領荘園の広域的展開などにより、全国各地に関連史料が存在している中世伊勢神宮に関連する古文書のデータを、網羅的に収集し、公開することにより、近年長足の発展を遂げた中世伊勢神宮に関する研究を、より飛躍的に発展させることを目的とする。 上記の目的のため、まず平成29年5月21日~8月27日までの間に8日間、三重県史編さん班が作成した三重県関係県外所在古文書の一覧データを入手後、それを三重県史編さん室が保管する紙媒体の文書ファイルと照合し、『三重県史』中世3で不採録となった神宮関係古文書を抽出した。 この抽出作業完了後、各データを結合・整理した上で、9月16日開催の本科研関係者会議にて進捗状況を報告し、三重県史編さん室に既に紙媒体データがあり、再調査の必要のない古文書2215通(A群)、三重県史編さん室に紙媒体がなく、調査・複写・翻刻の必要がある古文書499通(B群)、そして一覧データ化されていない未確認資料(C群)という3つに古文書群を分類した。 その上で、一覧データを再度確認しつつ、10月15日~平成30年2月17日までの間に6日間、A群の紙媒体史料をPDF化するとともに、B群・C群の古文書について、11月15~16日に国立公文書館、12月3~4日に東京大学史料編纂所、12月11日に京都大学・京都府立京都学歴彩館、平成30年1月22日と2月19~20日に宮内庁書陵部、2月2~3日に石川武美記念図書館成簣堂文庫で、それぞれ関係史料の調査と複写の入手を行った。併せて一覧データからの抽出漏れ・重複文書などのチェックを行うとともに、活字史料集から改めて神宮に関係する史料の「まくり作業」を行い、それらと並行して、A群・B群の翻刻・入力作業を開始した。入力作業は、47都道府県中17県の所在文書まで終了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請の際、平成29年度中に完成させるとしていた「中世伊勢神宮関係三重県外所在古文書」のリストはほぼ完成しており、さらにこのリスト作りと並行して、リストアップした中世伊勢神宮関係古文書の写真データを収集することも進んでおり、おおむね順調に進展しているということができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、まず蒐集史料の採録・不採録の選別から開始したい。「中世伊勢神宮関係文書」と言った場合、どこまでを「関係している」とするのか曖昧なところがある。例えば起請文の神罰に「天照大神」の名があるものを全て「関係している」と考えると、採録文書は厖大なものになりかねない。そこで、当初予定していた①神宮領荘園・役夫工米関係、②伊勢神宮御師関係、③神仏習合関係という3分野の内、③については余り積極的に収集する事はせず、①②を中心とした史料集に軌道修正することとした。 その上で、採録の決定した古文書から翻刻・入力作業を行い、併せて活字史料集等の「まくり作業」も継続する。さらに昨年度に引き続き、成簣堂文庫・国立歴史民俗博物館なとで史料調査を行い、また入手した写真版と活字史料との校合作業も行っていく予定である。 なおこれらの作業を全て並行して行うためには、大学院生のアルバイト代を中心とした謝金が不足する恐れがあり、平成31年度予算の内40万円を、今年度予算に前倒しして執行させて頂ければと考えている。
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Causes of Carryover |
「現在までの達成度」の項でも述べたとおり、現在のところ研究はおおむね順調に進展しており、100万円の内0.1%程度に当たる1194円の残額を残してしまったことは、誤差の範囲内と考えている。次年度に於いて適切に処理したい。
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[Book] 中世日記の世界2017
Author(s)
松薗斉・近藤好和編著,岡野友彦共同執筆
Total Pages
440
Publisher
ミネルヴァ書房
ISBN
978-4-623-07853-0