2018 Fiscal Year Research-status Report
A Comprehensive Study of Medieval Documents Related to the Ise Shrine Complex and Held Outside of Mie Prefecture
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17K03077
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Research Institution | Kogakkan University |
Principal Investigator |
岡野 友彦 皇學館大学, 文学部, 教授 (40278411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 誠 (多田實道) 皇學館大学, 文学部, 准教授 (00440834)
小林 郁 皇學館大学, 研究開発推進センター, 助手 (90779654)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 伊勢神宮 / 古文書学 / 荘園史 / 神道史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、神宮領荘園の広域的展開などにより、全国各地に関連史料が存在している中世伊勢神宮に関連する古文書のデータを、網羅的に収集し、公開することにより、近年長足の発展を遂げた中世伊勢神宮に関する研究を、より飛躍的に発展させることを目的とする。 上記の目的のため、平成30年度は、まず4月7日に三重県史編さん班にて関係者会議を開き、平成29年度報告と平成30年度計画を協議した上で、5月7日と6月4日の2回にわたり、収集した古文書データのうち、本科研で翻刻を行う古文書の採用・不採用の選別作業を行った。またそれらの作業と並行して、『南北朝遺文』と『戦国遺文』のまくりを行い、神宮関係史料を抽出するとともに、その入力を行った。さらに10月16~19日、東京大学史料編纂所で「東山御文庫文書」の調査を行い、神宮関連文書の選定作業を行い、後日、宮内庁書陵部に該当文書の複写申請を行った。また10月24日には、京都府立京都学・歴彩館で陽明文庫所蔵「近衛家文書」の調査を行い、平成31年2月7日~8日には国立歴史民俗博物館に赴き、神宮関係文書の調査を行った。また2月21日には皇學館大学に高野山大学の坂口太郎氏を招き、中世伊勢神宮に関する研究会を開催した。 その結果、『南北朝遺文』『戦国遺文』のまくり分と、陽明文庫所蔵「近衛家文書」の該当文書、および天理大学附属図書館「吉田文庫」の該当文書については翻刻が終了しており、また三重県史編さん班に既に紙媒体データがあり、再調査の必要がない古文書2215点についても、東京都の途中まで入力は終了し、残りは千葉・大阪・長野・奈良の4県のみという状態になっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請の際、平成29年度中に完成させるとしていた「中世伊勢神宮関係三重県外所在古文書」のリストについては、関係古文書の量が、予想していたよりはるかに多いこともあり、現状では完成の目処が立っていない。結果として古文書の翻刻と並行して、リスト作りを行うこととなっており、やや遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は神仏習合関係史料を除外し、①神宮関係、②神宮領・役夫工米関係、③神宮御師関係に絞って関連史料を収集することに軌道修正したが、それでも未翻刻の史料は膨大で、残り1年で全ての神宮関係史料を翻刻することは事実上不可能と言わざるを得ない。この点、当初の見通しが甘かったということになるが、それでも可能な限りの関係古文書データを収集し、翻刻することに努めたい。具体的には、御茶ノ水図書館成簣堂文庫・国立歴史民俗博物館に出張して関連文書のデータを集めるとともに、東山御文庫文書の紙焼きを入手次第その翻刻に取り組み、また未入力の東京・千葉・大阪・長野・奈良の県史データを入力するとともに、狩野亨吉蒐集文書・下郷共催会所蔵文書・東山御文庫文書・成簣堂文庫の翻刻にも精力を傾注していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
平成30年度途中に於いて、データ入力を中心とした人件費が予想以上に必要となり、8月11日付で直接経費40万円(間接経費12万円を含めると52万円)を平成31年度予算の中から前倒し支払請求した。ところが、人件費は予想通りに執行できたものの、研究分担者が、本来業務の多忙さなどから調査のための出張に行くことができず、結果として当初予定していた旅費を充分に執行することができなかった。今回、次年度使用額として31万円余りを残してしまったのは、以上述べたとおり、40万円を前倒し請求しながら、充分な出張の予定を組むことができなかったことによる。なお平成31年度(令和元年度)は最終年度であり、当初から140万円を執行するつもりであったところ、40万円を前倒し請求した内の31万円を残してしまったというものなので、総額131万円は、ほぼ当初の予定通りに予算執行することができるものと考えている。
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