2023 Fiscal Year Annual Research Report
CHARACTERISTICS OF MODERN HISTORY OF SOCIAL AND CULTURAL EXCHANGE IN KUROSHIO REGION IN THE LIGHT OF IMMIGRANT FISHERS VILLAGE IN NANFANG-AO, TAIWAN DURING THE JAPANESE RULE
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17K03134
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
吉尾 寛 高知大学, その他部局等(名誉教授), 名誉教授 (40158390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 美菜 高知大学, 教育研究部総合科学系黒潮圏科学部門, 准教授 (60582476)
松浦 章 関西大学, 東西学術研究所, 客員研究員 (70121895)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 台湾 / 日本統治 / 高知 / 黒潮 / 漁業 / 移民 / 南方澳 / 宜蘭 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年8月7日から14日にかけて代表者吉尾寛は分担者堀美菜と共に台湾を訪問し、台北市、宜蘭市、同県蘇澳鎮南方澳漁港で資料調査、聞取調査を行った。特に8月10日から12日にかけては宜蘭県において、1)宜蘭県史館で館長を初め、この間継続的に本研究に注目いただいている主任学芸員より資料や論文に関して貴重な助言、提供を賜った。2)11日からは二班に分かれ、加えて同県蘇澳鎮南方澳漁港において当地郷土史家の案内、並びに研究協力者の国立台湾海洋大学海洋文化研究所卞鳳奎教授の参加を得て、当該高知県漁民が就労並びに生活上日常的に関わりを持った諸地点(場所、位置)を可能な限り確認した。例えば官営移住者を中心とする高知県漁民の集合住宅(「移民村」)の地点を最終確定するとともに、漁撈に関係する岸壁、市場、造船所、沖縄漁業移住者の居住地、鰹節工場等の就労に関わる場所の位置を確認した。加えて劇場、「兵営」、「蘇澳の金比羅神社」等々当該移住者の生活上の重要箇所についてもその位置をほぼ確定した。 3)新たに資料から浮かび上がった公共墓地に関しては、宜蘭県史館より重要資料を提供される一方、吉尾自身が独自に資料より割り出した場所=蘇澳鎮公共墓地(現在の大南澳・蘇澳鎮第七公墓)を実際に訪れ、郷土史家の案配により、近隣住民から当該墓地場の蒋介石政権下の扱いなどについて重要な情報を得ることができた。 4)今回の調査中、1940年代に開設された「青年訓練所」の跡地はほぼ判明したものの、南方澳の移民児童が1、2学年の間通った「尋常小学校の分教場」の場所は、解放後の台湾人の国民小学との関連性(位置確認済み)という手がかりは得たものの、その地点を最終的に確定することはできなかった。 しかしながら、以上の最終的調査を通して、当該の南方澳のおける高知県等官営漁業移住民の就労・生活空間は約90%復元することができたと考える。
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