2019 Fiscal Year Research-status Report
The Historical Formation of Nationalism in China during the Early Period of the Cold War
Project/Area Number |
17K03149
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鄭 成 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授(任期付) (20386668)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | プロパガンダ / 知識人 / 思想転向 / 思想教育 / 文化交流 / ソ連 |
Outline of Annual Research Achievements |
冷戦期前半にあたる1950年代に、新たなナショナリズムが新生の中華人民共和国に形成された。そのナショナリズムが後に長くわたり、国民の自国認識と対外認識のあり方に影響を及ぼしつつあった。本研究は、当時のナショナリズムの形成過程を考察し、その特質の解明を目的とする。
ナショナリズムの形成を考察するにあたって、国民が共有する歴史的経験は重要な意味がある。1950年代の中国では、中ソ友好宣伝を中心としたプロパガンダ宣伝及びそれによって引き起こされた国民側の認識転換が当時の国民が共有する歴史的経験となる。本研究は、プロパガンダ宣伝をめぐる国民側の認識転換を考察して、国民の共有する歴史的経験の深層構造を明らかにし、当時のナショナリズムの特質を解明していくものである。
本年度(3年目)は、続けて1950年代初期の青少年の思想教育、青年知識人の思想転向を中心に、資料調査を継続するとともに、資料分析と論文化を進めてきた。関連資料の範囲を広げるため、香港中文大学中国研究服務中心を訪れて所蔵資料を調べた。青少年の思想教育に関して、その研究結果は2019年秋に刊行された『アジア太平洋討究』に掲載されている。青年知識人の思考転向に関する研究は、2019年12月の20世紀メディア研究所の研究会で研究報告を行った。報告成果をまとめた論文は2020年秋刊行の『アジア太平洋討究』に掲載される予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで収集した資料をもとに、分析作業、学会報告と論文化を進める。
|
Strategy for Future Research Activity |
4年目の最終年度は、これまで収集した資料に対して分析作業を継続しながら、その成果を学会報告と論文掲載を通じて公開する。
|
Causes of Carryover |
コロナの影響で、2020年2月、3月に予定された資料調査の実施が難しくなりました。 2020年の夏休みを利用して、台湾、香港で資料調査を行う予定です。
|
Research Products
(3 results)