2017 Fiscal Year Research-status Report
13世紀の教皇庁とイベリア半島諸国におけるムスリム認識
Project/Area Number |
17K03180
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
阿部 俊大 同志社大学, 文学部, 准教授 (60635788)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 教皇庁 / ムデハル / 貨幣 / イベリア諸国 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、「教皇庁の政策」「中世イベリア半島の貨幣」「ムデハルについての研究史の整理」という3つの領域で研究を進めた。その成果は、それぞれ学会報告を行って公表することが出来た。2017年8月23日、同志社大学で開催された西ユーラシア貨幣史研究会では、「中世イベリア半島の貨幣史研究状況について」というタイトルで、イスラーム貨幣も踏まえ、中世イベリア半島の貨幣の変遷について報告を行った。10月15日には、東京外国語大学本郷サテライトキャンパスで開催された第3回国際コロキウム「異なる視野から見たヨーロッパ中世」において、"Las politicas del Papado en los reinos hispanicos en la primera mitad del siglo XIII(13世紀前半のイベリア(ヒスパニア)諸王国における教皇庁の政策)"というタイトルで報告を行った。また、10月29日には慶應義塾大学日吉キャンパスで開催されたスペイン史学会第39回大会において、「文献史学におけるムデハル研究の現状と課題」というタイトルで報告を行った。このように、1年目は多様な側面から研究課題についての分析を進め、2年目以降の研究の基盤を形作ることが出来た。またこの過程で、マドリッド自治大学のアルベルト・カント教授、新リスボン大学のアリシア・ミゲレス教授、カタルーニャ国立博物館のアルベルト・エストラーダ研究主任らとコンタクトを持ち、今後の国際的共同研究につながりうる人脈を築くことが出来た。また、史料となる教皇文書の収集も並行して進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多様な側面から研究課題についての分析を進め、かつそれを研究会の場でたびたび報告し、質疑を通じて理解を一層深めることが出来、2年目以降の研究の基盤を形作ることが出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
1年目は「教皇庁の政策」「ムデハルについての研究動向」「中世イベリア半島の貨幣」について研究を進め、複数の学会報告を行うことが出来た。2年目はこれらの研究の精度を上げ、活字化していきたい。そのうえで、3年目には研究を一層深めることと、海外へ発信することを目指したい。
|