2019 Fiscal Year Annual Research Report
Folklore study of Toya system on village management and management of natural resources
Project/Area Number |
17K03291
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
市川 秀之 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (80433241)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 当屋 / 平等性 / 生業 / ムラ仕事 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度については、文献調査による当屋制データベースの作成を進め、特に当屋の事例が多い滋賀県、福井県、三重県などについてはほぼ完成している。またこのほかにも全国的に特色のある当屋制について文献を集めデータベース化を進めた。また当屋制民俗誌作成については滋賀県東近江市伊庭、大塚、多賀町佐目などにおいて詳細な聞き取り調査を実施し、その成果については日本民俗学会年会において発表した。これらの地域においては史料調査も行いことに多賀町佐目については区有文書の調査を実施し、「廻り普請」というムラ仕事における当屋制の仕組みを分析することができた。「廻り普請」「蒲生町における当屋制」については、令和2年度中に論文化する予定である。 3年間の成果としては全国に所在する生業、村落運営における当屋制の事例を広範に収集し、その類型化を試み、また福井県小浜市犬熊、滋賀県東近江市の旧蒲生町域、滋賀県多賀町の山間部村落においては、聞き取り調査の成果を史料と照合することによって、当屋制の地域社会における機能を明らかにするとともに、その歴史的な推移についても考察を進めた。これら一連の作業の結果、当屋制は神社祭祀以外の村落生活において広範にみることができ、いわゆるムラ仕事のなかで平等性を担保する仕組みとして各人の平等性を担保するためのシステムとして機能してきたことが明らかになった。また韓国における同様の習俗の文献調査を進め、当屋制は東アジアにも広く存在し将来的には当屋制を通じた比較文化研究の可能性を示すこともできた。
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Research Products
(3 results)