2022 Fiscal Year Annual Research Report
Judicial Policymaking in Japan and the United States
Project/Area Number |
17K03320
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
秋葉 丈志 早稲田大学, 国際学術院, 准教授 (80453009)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 政策形成型訴訟 / 同性婚訴訟 / 法社会学 / 憲法訴訟 / 司法過程 / 司法政治学 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、この間の研究について取りまとめ、対外的に発信する取り組みに力点を置いた。特に、2022年5月に開催された日本法社会学会の学術大会では、企画委員の一員として、日本の同性婚訴訟について実務家(原告代理人を務める弁護士)と共に研究分野の異なる研究者(法社会学、憲法学、国際人権法)を揃え、多角的に分析するパネルを企画・実施した。このパネルの一連の報告は、同学会の機関誌である『法社会学』89号に掲載し、広く提供している。 なお実施自体は研究期間終了直後にはなるが、この研究の過程で聞き取り調査などで培った人脈を生かして、2023年6月に早稲田大学比較法研究所主催で、自身が企画した日米の同性婚訴訟についてのシンポジウムを、訴訟に関わってきた両国の弁護士を招いて行う。これも広い意味で当研究の成果、またその社会的還元の場である。 当研究は日米の比較研究でもあるため、国際的な比較研究と発信にも取り組んできている。2023年1月には、早稲田大学比較法研究所の英文紀要に、Same-sex Marriage Litigation in Japanとして、この訴訟の経緯や日本の憲法・法律上の背景、そして執筆当時までに下されていた札幌地裁判決と大阪地裁判決について、英文で紹介し、評釈する論文を掲載している。また、これも報告自体は研究期間終了後の6月になるが、この間の研究成果を生かし、今般の訴訟について、日米の法社会学研究の議論を踏まえた研究報告をアメリカ法社会学会(Law and Society Association)の年次大会で行う。 研究期間全体を通じて、特に日米の同性婚訴訟について、関係者への聞き取り調査などを通じて、政策形成型訴訟の研究の文脈に位置付けた研究・分析を行い、国内外での学会報告、論文執筆、学会パネルやシンポジウムの企画などを通じて、積極的な発信・社会的還元に取り組んだ。
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Research Products
(6 results)