2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K03373
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
田近 肇 近畿大学, 法務研究科, 教授 (20362949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 直人 大阪大学, 高等司法研究科, 准教授 (40452312)
上田 健介 近畿大学, 法務研究科, 教授 (60341046)
重本 達哉 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 准教授 (60584042)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 墓地埋葬法 / 信教の自由 / 死者の尊厳 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、前年度に引き続き、研究の基礎作業として、諸外国の墓地埋葬法制において「死者の尊厳」がどのように考慮されているかについて資料・情報を収集し、また、国内における墓地・葬送の実例についての情報を収集することに努めた。 具体的には、平成30年7月28日および8月31日に研究会を行い、調査先及び質問事項等の打合せを行ったうえで、9月5日から11日にかけて、ドイツおよびオーストリアに赴き、現地調査を行った。すなわち、(1)ドイツ・フランクフルト市のユダヤ教墓地その他の墓地の調査を行い、(2)オーストリアの自然埋葬墓地の調査を行い、(3)オーストリア・ザルツブルク市の聖ペーター教会墓地、中央墓地その他の墓地の調査を行った。この調査により、ドイツおよびオーストリアの葬送の実態を知ると同時に、墓地埋葬法制に係る疑問点を解消することができた。 さらに、わが国の葬送の実情を知るため、8月30日には、わが国で最初に樹木葬墓地を設置した寺院を訪問して住職から聞取り調査を行った。また、12月15日には千葉県船橋市の「墓地等基本方針」の原案の作成等に関与した者を招いて研究会を行い、同市の墓地行政の実際について説明を聞いた。 そうした現地調査や研究会によって得られた知見は、平成30年8月31日、11月18日および12月15日に行った研究会での報告を通じて本研究への参加者間で共有するとともに、相互の批判的な検討に付した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に実施を予定していたが実施することのできなかったドイツの墓地埋葬法制に関する現地調査を本年度に実施することができ、また、イギリスの墓地埋葬法制に関する調査も一応の目処がつきつつある。また、わが国の墓地及び葬法の現状についても、現地調査及び研究会を通じて実情を知ることができ、次年度以降の研究成果公表に向けた準備ができつつある。 以上が、現在までの進捗状況について「おおむね順調に進展している」とした理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
諸外国の墓地埋葬法制及びそこにおける「死者の尊厳」の位置づけについては、すでに資料の収集・分析が進んでおり、今後は、これを研究成果として公表する作業を加速することが必要である。研究成果の公表についてはすでに出版社との間で本研究の成果を単行本として出版する計画を進めており、研究の最終年度となる平成31年度はその準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは、平成30年度末に日本国内のイスラム墓地の現地調査を予定し、スケジュール調整を進めたものの先方との調整がつかずに、その調査は平成31年度に先送りすることにしたため、その旅費相当額が残ったからである。この次年度使用額については、平成31年度に改めてスケジュール調整のうえイスラム墓地の調査を行うことで使用する計画である。
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Research Products
(3 results)