2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K03427
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
丸橋 昌太郎 信州大学, 学術研究院社会科学系, 准教授 (60402096)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 令状主義 / データ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、RIPAを対象として、(1)対象となる情報の分類方法、(2)取得要件、(3)取得手続(特に、Spoc制度の意義)、に分けて、特に(3)を中心に研究を進めた。RIPAが定める行動監視捜査について検討を行い、GPSを用いた捜査とその規律の仕組みについてもあわせて検討を行った。 これらの研究を踏まえて、わが国におけるGPS捜査に関する最高裁平成29年3月14日大法廷判決についても分析を進めて、その成果を2度にわたり、研究会で報告した。信州大学法学研究会では、主として他の法学分野の研究者とディスカッションをし、六本木研究会では、主として実務家とディスカッションをした。同判例の方向性は、本研究の方向性と基本的に親和性を持っているため、本研究を遂行する意義があるといえよう。特に、立法に委ねるという判断が下された今、イギリスの制度摂家は大変参考になると思われるため、その成果の一部を公表している。 一方で、わが国において、ビッグデータに関する理解やGPSデータの有する理工学的価値については十分な分析の必要性があることが明らかになった。GPSデータは、周知のとおり、単体ではビッグデータではなく、購買履歴等を結びついて初めて危険性を有するものである。その意味では、その蓄積データの保管管理の方法こそ今後の大きな課題であり、その前提としてのビッグデータの有する理工学的価値や社会的価値は、制度設計の基礎となるものであり、今後の研究の対象としていきたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね計画通り進んだ上に、その成果を研究会で2回報告し、また編著の論文として公表できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
従前の計画通り進めるほか、GPSデータの理工学的価値を理工系の研究者と連携して、研究を進めていきたい。
|
Causes of Carryover |
年度内に国内出張の予定がたたなかったため、次年度に使用額が生じた。次年度使用額は、平成30年度請求額と合わせて国内旅費として使用する計画である。
|
Research Products
(1 results)