2020 Fiscal Year Annual Research Report
Offender Monitoring by GPS Technology
Project/Area Number |
17K03435
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
甘利 航司 國學院大學, 法学部, 教授 (00456295)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 監視 / GPS / 社会復帰 / ストーキング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究に関しては、1年の延長を行った。但し、コロナ禍の中で、諸外国での実態調査に基づく研究はすることができなかった。そのため、文献での研究が主となることとなった。 以上のような事情により、もっぱら諸外国の電子監視の実施状況について文献による分析を行うこととなった。未決領域において、パートナー間の犯罪、特に暴力を伴うストーカーの事案について、実証的なアメリカの分析を見ることができ、その有効性を確認することができ、そして2020年度において文献として公刊することができた。今後は、この領域の更なる検証が求められることとなると思われる。特に、既決領域にでの実施に関してはあまり適切な実証分析がないため、更に検討することが求められる。 本研究においては、最終的には、一般論としては、GPSの使用が何らかの犯罪の抑止に効果があるとはいえないということが結論となる。それは、いつ・どこで・誰に対してなされるか不明な犯罪を抑止するには、対象者の居場所の探知ではあまりに不十分であるからである。そして、それを越えて、対象者の情報等を把握することは、あまりに人権制約の度合いが強すぎるのである。そのため、先述のような一定の領域、つまり被害者の特定性が存在し、犯罪行動も完全に特定されている領域、に限定しての使用が検討されるべきであると思われる。 そして、本研究はやや北米の研究を主として行ったが、今後は欧州での実施状況の分析が急務となると思われる。
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Research Products
(1 results)