2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research on worker protection through creditor protection provisions of the Companies Act
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17K03468
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| Research Institution | Kumamoto University |
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Principal Investigator |
高木 康衣 熊本大学, 熊本創生推進機構, 准教授 (60435120)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 会社法350条 / 不法行為債権者 / 企業責任 / 法人責任 / 報償責任 / 代位責任 / 職場のハラスメント |
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| Outline of Annual Research Achievements |
会社法上の債権者保護規定を通じた従業員の保護に関する本研究につき、最終年度は研究会報告２回、学会報告１回、論考執筆２本を実施した。成果物は、①「会社法350条の責任―債権者別にみた運用事例と令和改正との関係について」砂田太士・久保寛展・髙橋公忠・片木晴彦・德本穣編『企業法の改正課題』（法律文化社、2021年）197－212頁（査読なし）、②「会社法350条の制度趣旨に関する一考察」『丸山秀平先生古稀記念論文集商事立法における近時の発展と展望』（中央経済社、2021年）201-308頁（査読なし）、また2021年度の日本私法学会における個別報告に関する原稿を③「会社法350条の制度趣旨に関する一考察」私法83号（2022年４月）に寄稿したほか、丸山秀平・藤嶋肇・首藤優との共著による④『全訂株式会社法概論（第２版）』（中央経済社、2022年３月）においても、会社法350条における債権者保護について触れている。
会社法350条は法人責任に対する重要な会社法上の根拠規定と解されるが、同条に関する議論は従来それほど活発ではなかった。民法709条の法人への直接適用が下級審判決上は散見されることからすれば、会社法350条それ自体への関心の低さも（同条の理解如何が実際上の不都合を生み出さない以上）理解できる。しかし、企業活動は企業規模に応じて広範かつ複雑となり付随リスクも増す。企業活動によって生じる不法行為債務につき、明確に企業責任を肯定しうる手続き内容とその構造への理解を深めることは、ハラスメント防止法の制定により件数の増加が不安視される会社（代表者）による従業員への不法行為事案を含む不法行為債権者保護の手段への理解につながる。その意味で最終年度に会社法350条に関する研究成果物を刊行・報告できたことは、企業による従業員を含む不法行為債権者への救済に資するものとなったと考える。
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[Book] 企業法の改正課題2021
Author(s)
砂田太士・久保寛展・髙橋公忠・片木晴彦・徳本穣
Total Pages
527
Publisher
法律文化社
ISBN
978-4-589-04148-7
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