2018 Fiscal Year Research-status Report
Ensuring Effectiveness of balancing the Companies Law and the Corporate Governance Code
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17K03480
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
坂東 洋行 名古屋学院大学, 法学部, 教授 (60772382)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 役員報酬 / 会社法 / コーポレートガバナンス / ステークホルダー |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は主として2つの課題を置き、研究を推進した。まず、英国のメイ現政権が実施したコーポレートガバナンス改革が実務上どのような影響を与えているか、次に英国において役員報酬に関する会社法およびコーポレートガバナンス・コードによる規律の強化が会社法制定以降、どのように実施されてきたかである。 第一に、ガバナンス改革の実務への影響を調査・理解するため、2019年2月、投資家の団体であるIA(英国投資協会)、経営者の団体であるICSA(秘書役・経営管財人協会)を訪問し、ワークショップを開催した。当方からはわが国の会社法改正動向とガバナンスコードの成り立ちを説明し、先方からは英国で2018年中に実施された会社法改正とガバナンスコード改訂をどう受け止めているかを聞き取った。 第二に、英国における役員報酬規制について、会社法は1844年ジョイントストック会社登記規制法から、ガバナンスコードは1991年のキャドベリー報告書から、それぞれ遡って法規定や第二次立法、コード規定について詳細に調査した。会社法とガバナンスコードがいかに有機的に関連して役員報酬を規律しているかをまとめることに努めた。 さらに、会社法改正とコーポレートガバナンス・コード改訂が役員報酬をどう規律していくかについて深度あるヒアリングを行うため、ガバナンスコード立案担当であるFRC(財務報告審議会)を2018年9月、2019年2月と2回にわたり訪問し、ワークショップを実施した。当方からはわが国の報酬規制を会社法を中心に改正の進捗を含め説明し、先方からは報酬委員会の機能についての強化方針についてヒアリングした。 以上、2つの重点課題を通じ、「役員報酬」をキーワードとし、英国における会社法とガバナンスコードの関係につき、「英国における役員報酬改革」のタイトルの下、早稲田法学(94巻3号、2019年3月)において公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「役員報酬」を手がかりに、英国における会社法とコーポレートガバナンス・コードの密接な関係を会社法は19世紀中頃から、ガバナンスコードは1990年代から、それぞれの規律が何をねらいとして立案され、一つ一つの規定が会社法とコードで補完作用があるのかを詳細に調査することができ、その研究成果を公刊できた。今回の会社法改正、コード改訂への機関投資家、経営者等のステークホルダーがどう受け止めているのかがワークショップを通じ理解でき、今後の研究の展開の足がかりとすることが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
英国の2006年会社法172条に規定される取締役の義務およびガバナンスコードが求める取締役の責務をいかにエンフォースメントさせていくかについて深度ある調査が必要であるとの認識のもと、FCA等による行政処分、株主代表訴訟等の私的エンフォースメントについて実例を分析していく。
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Research Products
(2 results)