2020 Fiscal Year Research-status Report
知的財産訴訟における一元的統御と多元分散的統御の最適化
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17K03499
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 広志 北海道大学, 法学研究科, 教授 (70360881)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 特許法 / 均等論 / 第5要件 / フレキシブル・バー / コンプリート・バー / 訂正の再抗弁 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた。具体的には、所属機関の授業が急遽オンラインとなったため、そのための教材作成等に著しくエフォートを費やすことになった。そのために例年に比べて十分な研究が実施できなかった結果、研究期間の延長を申請し、これが受理された。本来であれば2020年度は研究の総まとめの年度であったが、それが1年繰り延べられることになった。 もっとも、少ないながら成果は得られた。 まず、キャリアを通じて初めて均等論のまとまった研究が出来た。均等論は権利解釈論の花形ともいえるテーマであるが、学界を見渡しても、均等論の消極的要件(第5要件)についての研究は不十分であるところ、その点に大きな成果を残すことが出来たことは、自分自身も満足している。特に、コンプリート・バーとフレキシブル・バーについては説が鋭く対立していながらも、従来、裁判例を網羅的に調査しまとめた論考が皆無であったところ、一定の方向性を示すところまで研究できた点は、学界に対して貢献できたと感じている。また同テーマについては、実務家の研究会(オンライン)で成果報告できたことも付言しておく。 また、前年度から引き続き、訂正の再抗弁についても最近のトレンドから、従来学界では指摘されてはいたが裁判例がなかなか受け入れてこなかった論点について、裁判所が事実上、学界(実務界)に譲歩する形で裁判例を修正した傾向について、指摘を行うことが出来た。 次年度は(延長された)研究最終年度となる。新型コロナウイルスの収束が不透明な中、研究活動も従来通りとはいかないが、何とかまとめたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度の研究は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた。具体的には、所属機関の授業が急遽オンラインとなったため、そのための教材作成等に著しくエフォートを費やすことになった。そのために例年に比べて十分な研究が実施できなかった結果、研究期間の延長を申請し、これが受理された。本来であれば2020年度は研究の総まとめの年度であったが、それが1年繰り延べられることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は(延長された)研究最終年度となる。新型コロナウイルスの収束が不透明な中、研究活動も従来通りとはいかないが、何とかまとめたい。 次なる研究費申請を見据えて、従来の研究成果を整理し、課題をピックアップする作業も予定している。
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Causes of Carryover |
2020年度の研究は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた。具体的には、所属機関の授業が急遽オンラインとなったため、そのための教材作成等に著しくエフォートを費やすことになった。そのために例年に比べて十分な研究が実施できなかった結果、研究期間の延長を申請し、これが受理された。本来であれば2020年度は研究の総まとめの年度であったが、それが1年繰り延べられることになった。 次年度は(延長された)研究最終年度となる。新型コロナウイルスの収束が不透明な中、研究活動も従来通りとはいかないが、何とかまとめたい。繰り越された研究費は、次年度の学会・研究会・共同研究者や研究協力者との打ち合わせのための旅費として使用を予定している。
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