2019 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of Trust Law System Suitable for Aging Society
Project/Area Number |
17K03518
|
Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
佐藤 勤 南山大学, 法学部, 教授 (50513587)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 修 富山大学, 学術研究部社会科学系, 教授 (00512691)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 福祉型信託 / 差押禁止債権 / リバースモーゲージ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の研究実績は次のとおりでる。 第1に、福祉型信託に関する現在の規制法について研究を行った。現行法は、集団投資スキームなど、主として信託会社等の営業者が信託を受託する際における各種規制を行うことを目的として立法されているので、家族信託や福祉型信託など、営業者以外の者が信託を受託することを想定してない。そこで、1922年に立法された旧信託業法、2004年改正後信託業法、2006年に行われた信託法改正時に行われた改正後の信託業法について、旧信託法、2006年改正後の信託法の枠組みや対応する条文と比較し、福祉型信託に対して、現行信託業法の各規定が適用されるべきかの研究を行い、その成果を「信託金奨励金論集」40号で論文として公表した。 第2に、我が国の高齢化の進展に伴う国家の財政負担の増大から、公的年金制度の充実が難しくなってきている。そこで、家計の保有する資産において大きな比重を占める居住用不動産を活用し、老後の生活費を調達する手段が近年増えてきている。そこで、そのような仕組みに信託を活用した場合の法的課題(信託設定時、信託設定後の法的課題)を検討し、実務上の留意点を考察し、その成果を「信託フォーラム」13号で論文として公表した。 第3に、第2の検討を行うための基礎研究として、信託の特徴たる「信託財産の独立性」から、信託に関する強制執行の可否について、英米の調査を踏まえ、検討を行い、その成果を「信託フォーラム」13号で論文として公表した。また、公的年金を補完するための個人年金契約について、東京高裁平成30年6月5日決定における主要な論点である銀行等が引き受ける私的年金の受給権が民事執行法152条1項1号の差押禁止債権に該当するか、差押禁止債権に該当するには、どのような要件が必要であるかについて、検討を行った。その成果は、「銀行法務21」851号に論文として公表した。
|
Research Products
(6 results)