2019 Fiscal Year Research-status Report
Would Large-Scale Oil Palm Investment Schemes Reduce Poverty? Case Studies from Indonesia
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17K03554
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
浦野 真理子 北星学園大学, 経済学部, 教授 (30364219)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インドネシア / アブラヤシ / 貧困解決 / 土地紛争 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的に沿って、2019年度は以下の活動を行った。 2019年8月―9月には、西スマトラ州アガム県でフィールド調査を行った。西スマトラ州は、多くの小規模農民がアブラヤシを栽培している。20名の農民にインタビューを行い、アブラヤシ栽培を始めた経緯、アブラヤシ栽培によって得られている収入、教育程度の変化、コミュニティー内の貧富の格差の変化などを聞き取った。このなかで、アブラヤシ栽培から得られる収入が地域住民の所得の向上に役立ってきたこと、一方で土地の価格が上昇し、あとになるほど参入が難しく貧富の差が開いてきたことが明らかになった。また、東カリマンタン州東クタイ県でフィールド調査を行った。東クタイ州では、大規模アブラヤシ農園企業や、紙パルプ用植林企業が進出し、地域の住民との間で土地紛争が生じている。ここで、政府が推奨し、農園企業が行っている地域住民との間の合意形成(FPIC)の原則が十分に機能していないことを、地域住民へのインタビューのなかから明らかにした。 2020年2月には、西スマトラ州アガム県でさらに20名の地域住民に対し、フィールド調査を行った。8-9月に行ったインタビュー項目に加え、コロナウィルス拡大に伴ってアブラヤシ栽培にどのような影響が出ているかを聞き取った。中国やインドの不況に伴い、パーム油価格が下落し、住民の所得も減少していることが明らかになった。 今までのデータをまとめ、イギリスのGlobalizations誌に投稿し掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東カリマンタンでの調査に加え、比較検討の対象として西スマトラの調査を行うことができて順調に推移した。また、海外の査読付き雑誌にも掲載することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
成果発表を、学会発表、論文の作成と投稿によって行っていく。
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Causes of Carryover |
西スマトラ州の共同研究者とオーストラリアアジア学会(ASAA)で発表予定だったが、この学会が隔年開催であったため。
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