2019 Fiscal Year Annual Research Report
A research on Neoliberal policy in the finance-led regime
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17K03651
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Research Institution | Ohtsuki City College |
Principal Investigator |
内藤 敦之 大月短期大学, 経済科, 教授(移行) (40461868)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ネオ・リベラリズム / 金融化 / フーコー / 現代貨幣理論 / 反緊縮政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究の目標を達成すべく、理論的、経済思想史的な検討を中心に作業を進めた。第一に金融化論におけるネオ・リベラリズム政策の位置付けを明確化し、あらためて金融化の過程の分析へと統合する試みを行った。第二にマクロ経済レジーム論に関しては金融主導型レジームをベースに、ネオ・リベラリズム政策を統合したレジームを検討した。第三に認知資本主義論については引き続き、認知資本主義論におけるネオ・リベラリズム分析に基づいて政策について検討した。また、フーコーのNaissance de la biopolitique (2004)の先駆的なネオ・リベラリズムの検討をもとに、経済統治の体系として、ネオ・リベラリズム政策の位置付けを試み、その基盤となる思想と政策について考察した。第四にネオ・リベラリズム政策の内容とその結果を簡単な実証分析も用いて整理した。第五にネオ・リベラリズム政策の意義とその思想的背景の検討を行った。ネオ・リベラリズム政策の金融主導型レジームにおける位置付けを基礎として、その意義を考察した。また、それを踏まえた上で、その背景となる思想及び、実際の政策とその結果との乖離についても検討し、政策思想としての意義をレトリックという観点も意識しつつ分析した。成果としては第一に「フーコーのネオ・リベラリズム分析」(『大月短大論集』第51号、2020年3月)において『生政治の誕生』を中心とするフーコーのネオ・リベラリズム分析の内容の検討を行った。第二に反緊縮的な政策論として現代貨幣理論(Modern Money Theory)に関して、学会でのコメント(「企画セッションⅡ「現代的貨幣論の検討」」、日本財政学会第76回大会、2019年)及び報告(「表券主義の貨幣理論-マクロ経済システムと政策的論点-」、第9回ケインズ学会大会、2019年)を行った。
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Research Products
(3 results)