2018 Fiscal Year Research-status Report
Test for the existence of moments
Project/Area Number |
17K03656
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
人見 光太郎 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (00283680)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 逐次解析 / 単位根 / 和分次数 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は前年度までの逐次的なサンプリングのもとでの単位根検定の応用として、逐次的なサンプリングのもとでの和分次数の探索方法を研究した。 x(t)をAR(p)過程とすると、x(t)に存在する単位根の数がゼロの場合を I(0) 過程、1つの場合を I(1) 過程、2つの場合を I(2) 過程と呼ぶ。本年度の結果であるAR(p)過程の単位根検定を利用して I(0) 対 I(1) の検定を行なうことができ、また1階の階差を取ったものでI(0) 対 I(1) の検定を行なうことで I(1) 対 I(2)の検定を行なうことができる。しかし、I(0) が真の場合は停止時が非常に長くなるために停止時の分布を使った検定を併用して短期間で探索が行える方法を開発した。 また操作変数モデルの関数型の検定方法も研究した。経済データの場合は、変数の内生性の問題から操作変数を用いてパラメータを識別することが多い。そのために操作変数モデルで、モデルの特定化(関数の特定化)が正しいかどうかの検定が必要になる。Ingster (1993)のAsymptotic minimax hypothesis testのアプローチを使い、帰無仮説からの距離が同じであれば一定以上の検出力を持つ検定の中で検出できる局所対立仮説の帰無仮説へ収束する速度が最も速い検定(minimax rate optimal test)を構築した。またこの検定は実証研究で政策の効果を測定するのによく使われるようになった Regression discontinuity design (回帰不連続) にも適用できるように正しい関数型が不連続な関数であっても検出できるようになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに以下の研究を行ないある程度結果をまとめることができた。 時系列データが1次の自己回帰モデル、つまり x(t)=α x(t-1)+ε(t)、である場合の自己回帰係数 α の推定と、その係数が単位根を持つかどうかの検定である。この論文では単位根を持つ場合と、定常な場合の係数と停止時刻の同時分布を求め、それを使って検定を行なっている。そのために帰無仮定のもとでデータをD[0,∞) 上でのブラウン運動で近似して、Dambis, Dubins-Schwarzの時間変更を使って分布を導出するという手法を確立した。また、定常な場合は誤差項の分散が未知の場合の方が停止時の分散が小さいという逆説的な現象も発見した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の逐次解析の結果をp次の自己回帰モデル(AR(p)モデル)への拡張を行なう。モデルは複雑になるが基本的に同じような手法を使うことで自己回帰係数と停止時の同時分布を導出できると思われる。また、AR(p)への拡張を行なうことで実際のデータへの応用の可能性を高めることができるだろう。 まだ研究途中であるが、時系列データの和分次数を逐次解析の方法を使ってできるだけ速く検出するや資産市場のバブルの発生をできるだけ速く検出する検定方法に関する研究も行なう。
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Causes of Carryover |
北海道での研究会への出張費が予定していたよりも安い飛行機が利用できたので次年度使用額5400円が生じた。この5400円は次年度でのトナー等の消耗品の購入に当てることを予定している。
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