2020 Fiscal Year Research-status Report
遷移方程式を特定化しない状態空間モデルの推定について:株価変動を例にとって
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17K03657
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷崎 久志 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (60248101)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 非線形状態空間モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
Tanizaki (2020)で,非線形・非ガウシアン状態空間モデルのスムージングによる推定問題について,過去の自身の研究成果をまとめた。状態空間モデルにおける遷移方程式・観測方程式が非線形の場合や誤差項が非正規分布の場合に,Gibbs sampler や Metropolis-Hasting algorithm の Markov Chain Monte Carlo (MCMC)を用いて,状態変数を推定する方法を紹介した。まず2つのMCMC法を紹介し,次に2つのMCMCを組み合わせて状態空間モデルの推定方法を紹介した。さらに,得られた状態変数の期待値の推定値は真の値に収束するための条件,その収束したかどうかの検定なども紹介した。加えて,Metropolis-Hastings algorithmではサンプリング密度関数を利用するが,そのサンプリング密度関数の例をいくつかを紹介した。 また事前研究として,アンケート調査に関する研究を行い,谷崎・渡辺(2020),渡辺・谷崎(2021)を作成した。谷崎・渡辺(2020)では,障がい者を対象に「障がい者の消費行動と消費者トラブルに関する調査」が行われ,このアンケート調査をもとに,障がい者の消費者事故・消費者トラブルに関する実証分析を行った。渡辺・谷崎(2021)では,全国の大学生を対象として2019年に「大学生のキャッシュレス決済に関するアンケート調査」が消費者庁によって行われ,そのアンケート調査から得られた大学生の個票データをもとにして大学生のキャッシュレス決済の現状の利用頻度と今後の利用予定,さらに,キャッシュレス決済に関するトラブルなどに関する実証分析を行った。 これら2本の研究とTanizaki (2020)の手法を用いて,今後の研究に続けるつもりである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はディスカッション・ペーパー2本,書籍の1章を執筆して,十分な成果が上がっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
状態空間モデルで遷移方程式をノンパラメトリックにするには,かなり難しく未だに構想中である。
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